その男は1970年代、金品を盗む目的で住宅に侵入して女子大学生を絞殺した。ギャンブルで抱えた借金を返済するためだった。強盗殺人や強盗強姦未遂などの罪で無期懲役が確定した。自らの犯罪をこう表現する。「鬼畜の事件です。人として最低の事件を起こしたんですよ」 男は約25年間服役して仮釈放された。だが、1カ月もしないうちに刑務所に戻ることになる。それから13年後に再び仮釈放となって出所。しかし、その後犯した罪により、今は徳島刑務所に収容されている。 記者は徳島刑務所で3人の無期懲役受刑者を取材した。これまでに、(1)この刑務所で40年服役する男(2)10代で殺人犯になった元少年、という2人の無期懲役受刑者の記事を配信した。 3人目は、無期懲役刑で服役し、2度の仮釈放を経験した70代の受刑者。彼にとっての「更生」とは。(共同通信=今村未生) ※筆者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きください。