「値段が思ったのと違う。納得できん」-。3月上旬、熊本市南区のスーパーで、買い物客の無職の男(70)が突然、怒号を上げた。客が店員に不当な要求を突きつける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」は暴行・傷害事件へと発展した。企業や自治体にカスハラ対策を義務付ける改正労働施策総合推進法の10月施行まで半年。現場での具体的な対応が課題となっている。 スーパーによると、午後7時55分ごろ、男は購入しようとしたジンジャーエールの価格が以前より上がっていたことに腹を立て、レジでアルバイトの店員に詰め寄った。本来は店のマニュアルに基づき、複数人で客に対応するが、当時は人手が足りず、店員が1人で応じた。男は大声で怒鳴り続け、他の客の買い物にも支障が出たため、店員は男をレジから離れた場所に誘導し、110番通報した。 その直後、男は店員の頭部を殴り、制止に入った別の客にも手を上げた。男は駆け付けた警察官により、暴行の疑いで現行犯逮捕された。殴られた店員は1週間のけがを負った。