特殊詐欺に歯止めを 岐阜県と県警が共同宣言…今年1~3月15億8000万円被害、危機的状況

若い人たちも詐欺にご用心――。高齢者だけでなく全世代が多額の特殊詐欺被害に遭っている現状に歯止めをかけようと、岐阜県と同県警が19日、共同宣言「STOP!特殊詐欺 オール岐阜アクション2026 ~県民総ぐるみ 安全安心のバトンリレー~」を行った。動画やSNS、モーニングを楽しんでいる喫茶店での啓発……色々な方法を駆使して、県民一人一人の防犯意識を高める狙いだ。(畠山夏実) ■全世代ターゲット 岐阜県警によると、今年1月から3月末までの県内の特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を含む)被害は256件(前年同期比95件増)、被害総額は約15億8000万円(同約5億3000万円増)で昨年のペースを上回る危機的な状況となっている。 手口別では、SNSやマッチングアプリなどを通じてウソの投資話を持ちかけてだます「SNS型投資詐欺」が82件(同51件増)と最も多く、事業者や官公庁を装い未納料金を支払うよう要求する「架空料金請求詐欺」や、偽の逮捕状を示して不安をあおるなどする「ニセ警察詐欺」も後を絶たない。 かつては、高齢者がオレオレ詐欺などの詐欺被害に遭うことが多かった。最近は、若い世代が被害に遭うケースの増加も目立っている。20~30歳代で被害に遭う割合は約2割で、70~80歳代で被害に遭う割合とほぼ同じ。40、50、60歳代もそれぞれ約2割と、全世代がターゲットになっている。 県警の担当者は「これまでは、かかってきた電話や届いたメールから高齢者が『オレオレ詐欺』被害に遭うことが多かった」とし、「投資などに関心のある若い人がSNSで投資詐欺やロマンス詐欺の被害に遭うケースが増えている」と分析する。県警では「SNSでお金の話が出たら注意してほしい」と警鐘を鳴らしている。 ■防犯意識を醸成 県警は昨年9月~今年3月に計5回、教育や医療、経済分野の専門家らでつくる有識者会議を行ってきた。チラシだけでなくSNSでの啓発や、ちょっとした仕掛けによって自発的な行動に誘導する「仕掛け学」を活用し、県民が自発的に対策をとろうとする仕掛けをつくるべきだなどの提言がなされた。 提言をもとに、共同宣言では、〈1〉県民総ぐるみの被害防止運動〈2〉だまされないための情報発信〈3〉防犯アプリの普及――の三本柱を掲げた。今後、地域警察官による集中的な巡回連絡を通じた広報といった様々な対策を通じて、防犯意識を県民に広く深く浸透させていく。 共同宣言を行った江崎禎英知事は、「(啓発を通じて詐欺について)常に話題に出るようにしておくということが一番の防衛かなと思っている。危機感を高めるには、まさに今が大事で、連携していきたい」と力を込めた。

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