菅野、田中将大に続き戸郷も… 巨人・久保巡回投手コーチの「魔改造」で復活の兆し

阿部慎之助監督の逮捕、辞任と激震が走る巨人だが、ペナントレースは待ってくれない。セ・リーグは阪神とヤクルトが首位争いを繰り広げ、巨人が3位で追いかける展開で交流戦に突入した。打線の爆発力に欠ける巨人は先発陣の踏ん張りがカギを握るが、とくに完全復活が期待されるのが、戸郷翔征だ。 2022年から3年連続12勝をマークし、菅野智之が24年オフにメジャーに移籍した後は名実ともにエースとしての活躍を期待された。だが、昨年は生命線の直球にキレがなく痛打を浴びる場面が目立ち、2度のファーム降格もあって規定投球回にも到達できず、8勝9敗という成績に終わった。今年は春季キャンプでフォーム修正を敢行したが、オープン戦で結果を残せず、開幕は2軍で迎えた。 ファーム暮らしの戸郷の復活を支えたのが、久保康生巡回投手コーチだった。二人三脚でフォーム修正に取り組み、戸郷は5月に1軍昇格すると、3試合目の登板となった5月19日のヤクルト戦で7回を5安打無失点に抑えて今季初勝利をあげた。 他球団のスコアラーが振り返る。 「以前なら試合の中盤以降に直球の威力が落ちていましたが、7回も150キロ近い直球で押し込んでいた。投球フォームが大きく変わったわけではないけど、体重移動がスムーズになり、球に力が乗るようになったように感じます。久保さんの助言が間違いなく生きている部分はあるでしょう」 久保巡回投手コーチは、球界を代表する投手たちにアドバイスし、能力を引き出したり復活に導いたりしたことから、「魔改造」の異名で知られている。コーチとしてのキャリアをスタートした近鉄時代は岩隈久志を絶対的なエースに育て、阪神では先発で伸び悩んでいた藤川球児(現阪神監督)がリリーバーに適性があることを見抜いて配置転換し、大輪の花を咲かせた。ほかにも阪神では能見篤史、岩崎優、桑原謙太朗(現阪神2軍投手コーチ)といった投手たちの育成をサポートしている。剛速球を武器にする投手がいれば、軟投派の投手もいる。様々なタイプの投手を輝かせた実績は大きな価値がある。阪神のOBが振り返る。 「久保さんは気になる点があっても最初は見ているんですよ。ウォーミングアップから投球練習、フィールディングとずっと観察してどういう性格か、どのようなコミュニケーションを取るのがいいか考えている。一昔前は『こうしたほうがいい』と頭ごなしに言う指導者がいましたが、久保さんは違いましたね。投手の考えを聞きながら、投球のメカニズムを見つめ直す。押しつけの指導ではなく、納得させたうえで取り組むので選手は心を開く。気さくで偉ぶったりしないので、選手もすごく接しやすい。投手の体の使い方、投手目線で見た厄介な打者とか、会話の中で野球がうまくなるヒントがたくさんあるんですよね。名指導者であることは間違いありません」

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