大阪地検特捜部が手がけた事件の取り調べで、容疑者に「検察なめんな」などと暴言を吐いたとして、特別公務員暴行陵虐罪で審判に付された田渕大輔検事(54)=現東京高検=について、大阪地裁での初公判が7月10日に開かれることが決まった。公判で検察官役を務める弁護士側が明らかにした。関係者によると、田渕検事側は無罪を主張する方針という。 現職の検察官が付審判の公判で裁かれるのは初めて。この付審判をめぐっては、田渕検事についての刑事告発を受けた検察が不起訴処分としたが、大阪高裁が2024年8月、「法廷で審理すべきだ」として審判に付すことを決めた。 大阪高裁の付審判決定によると、田渕検事は19年12月8~9日、業務上横領容疑に問われた大阪市の不動産会社「プレサンスコーポレーション(当時)」元部長の取り調べを担当。取り調べで机をたたいた上、「反省しろよ、少しは」「検察なめんな」などと罵倒し続けたとされる。 元部長はこの取り調べのあと、当時の社長・山岸忍さん(63)が犯行に関与していたと供述。山岸さんは共犯として逮捕・起訴されたが、21年10月に一審で無罪判決を受けて確定した。山岸さんが付審判を求め、大阪地裁は棄却したが、高裁が認めた。 付審判は、検察が不起訴にした公務員の職権乱用に関する告訴・告発について、告訴人らから不服申し立てを受けた裁判所の判断で刑事裁判を開く制度だ。 ただ、裁判所が付審判の決定を出すことは極めて珍しい。制度ができた1949年からこれまでに23件しかなく、その多くは警察官が対象となっている。(遠藤美波、新谷千布美)