去年9月、長崎県佐世保市で、10代の女性を無理やり車に乗せてホテルに連れ込み、性的暴行を加えてけがをさせたなどとして、わいせつ略取などの罪に問われている男の論告・弁論の裁判員裁判が、今月9日、長崎地裁で行われました。 わいせつ略取、逮捕監禁致傷、不同意性交等致傷の罪に問われているのは、長崎県西海市大瀬戸町に住む無職の男(33)です。 ■事件の経緯 起訴状などによりますと、男は去年9月19日午後9時半ごろ、長崎県佐世保市の路上で、「女性を襲って性的な行為に及びたい」と考え、夜道を歩く面識のない10代の女性の首を突然絞めて失神させ、無理やり車に乗せてラブホテルに連れて行き、性的暴行を加えてけがをさせたとされています。 また、男は事前に現場を下見し、女性を物色していたとされています。さらに犯行中、被害者が腕をたたいたり「殺さないで」「私は未成年」など声を上げたりして抵抗しても、意に介すことなく犯行を続けたとされています。 ■適応障害の症状で精神科を受診 今月9日に行われた論告・弁論の裁判員裁判では、冒頭、弁護側からの質問があり、男は、犯行前に職場などでの人間関係に悩み、適応障害の症状で精神科を受診していたことが示されました。 男は、母親とともに月1、2回通院し、睡眠薬や精神安定剤を服用していましたが、犯行2か月前に自暴自棄になり、通院をやめました。 男は「通院をやめたことが犯行に影響した可能性がある」との認識を示した一方、検察側は精神科医からの意見として、「適応障害に性欲を亢進させる症状はないこと」や、「男の服薬量は少量であり、服用をやめても症状が著しく悪化することはない」などと指摘し、犯行との関連性を否定しました。 ■「レイプ願望」なぜ、男はこの事件を起こしたのか。 裁判では、犯行の背景についてもやり取りが行われました。 検察側から、犯行当時の自身の性的嗜好について問われ、男は、「自分の言うことを聞いてもらえないという不満や、女性に合わせることへのストレスなどが、自身の『レイプ願望』に影響した可能性がある」と述べました。