元同級生に妻を殺害された男性「泣いている姿を見せたら犯人が喜ぶだけ」語った積年の苦しみと歩み

大津市で保護司の新庄博志さん=当時(60)=が殺害された事件から2年となるのに合わせ、更生保護や被害者支援について考える講演会がこのほど、滋賀県草津市大路2丁目のキラリエ草津で開かれた。名古屋市で起きた殺人事件の遺族が長年の苦しみや歩みを語った。 1999年に名古屋市で殺害された主婦高羽奈美子さん=当時(32)=の夫悟さん(69)が「妻を失った日から今日まで」と題して講演。事件を巡っては2025年10月、悟さんの元同級生の女が逮捕された。 悟さんは事件当日、自宅アパートの廊下が血だらけで、奈美子さんがうつぶせで倒れているのを見たと振り返った。「首を切られていると警察に言われ、びっくりした」と話した。 息子は当時2歳だった。子どもと遊んでいる若い母親の姿を見ると「奈美子にも育児をさせてあげたかったなと今でも思う」と声を落とした。メディアから取材を受ける時は「自分が泣いている姿を見せたら犯人が喜ぶだけ。子どもと元気に遊んでいる姿を見せるようにした」と語った。 アパートは思い出の品も多く、事件後も計2200万円以上の家賃を払い続けて保存しているという。物件の仲介業者や大家が家賃を下げるために協力してくれたと感謝した。 悟さんは、未解決殺人事件の被害者遺族らでつくる「宙(そら)の会」の代表幹事でもあり、捜査でDNAをもっと積極的に活用するよう求めた。締めくくりに「被害者には突然なる。家族が交通事故に遭う可能性がないとはいえない。そうなると人生がめちゃくちゃになる。通常の生活を大事にしてほしい」と呼びかけた。 講演会は被害者の視点を学ぼうと、草津保護区保護司会や草津栗東更生保護協力雇用主会などが主催し、約140人が参加した。 新庄さんと30年来の友人だった同保護司会の副会長高岡由喜晃さん(63)は講演後、「新庄さんが残してくれたメッセージをいろいろな企画や形にしていきたい。更生する人を一人でも増やし、再犯防止につなげたい」と話した。

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