州兵の首都からの撤収求める声 政権の民主党州兵配備計画に抗議

コロンビア特別区、7月8日 (AP) ー 米国建国250周年の祝賀行事期間中、首都ワシントンへの州兵派遣規模が急拡大しており、その一部は民主党知事が率いる州からの部隊によって増強されている。 しかし、この増派に対しては首都の一部住民らから怒りの声が上がっている。彼らは、民主党主導の州からの部隊が単に祝賀行事の警備を支援するだけでなく、トランプ政権が首都で継続している期限を定めない州兵配備計画に巻き込まれていると主張している。 建国250周年行事のために派遣されたミネソタ州の部隊は、予定を繰り上げて撤収する見通しだ。一方、シンクタンクや市民団体、労働組合、人権団体などの連合体は7日、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事に対し、同州の州兵部隊が不当に使用されているとして撤収を求める書簡を送付した。 各団体は書簡で「歴代大統領はワシントンでの大規模イベントの際、他州の州兵に支援を要請してきたし、通常であればそのような要請が問題視されることはほとんどない」とした上で、「しかし、(ドナルド・)トランプ大統領による首都での州兵の運用方針は、およそ通常とは言い難い」と指摘した。 首都ワシントンにおける州兵の存在は、トランプ大統領が手におえない治安悪化を理由に非常事態宣言を出した2025年8月以来、議論の的となってきた。 首都の州兵が招集されて街頭に配備されたほか、数千人規模の連邦捜査官や政府機関の職員も動員された。トランプ氏は一時的に地元警察の指揮権も掌握した。さらに、いずれも共和党知事が率いる各州からも州兵部隊が派遣された。 ここ数カ月の間、州兵は急病・負傷対応、容疑者の逮捕支援、地元警察による夜間外出禁止令の運用補助、街路の美化活動などに従事してきた。今年1月に大規模な吹雪に見舞われた際には、首都の州兵が除雪作業を支援した。 配備規模はこれまで2300人から2600人程度で推移していたが、ここ数週間は「グレート・アメリカン・ステート・フェア」や7月4日の花火大会など、大勢の人が集まるイベントに向けた警備計画の一環として、およそ5000人にまで増員された。 この増員には民主党主導の州も含まれており、当初は数週間にわたって駐留する予定だった。ミシガン州は約160人、ミネソタ州は100人強の部隊を派遣した。両州はいずれも、首都への継続的な州兵配備の差し止めを求める訴訟において、他の民主党主導の州とともに原告側に加わっている。 コロンビア特別区の州昇格を目指す団体で、今回の書簡に署名した「フリーD.C.」のエグゼクティブディレクター、キヤ・チャタジー氏は、ホイットマー知事が撤収の可能性を示唆しているにもかかわらず、ミシガン州兵が地下鉄駅周辺や「ナショナル・モールから遠く離れた」住宅街に配置されているのを確認したと語った。 フリーD.C.は、市内での州兵の活動全般を監視・記録するネットワークを組織している。先週、ピート・ヘグセス国防長官が主催した首都警備への貢献に対する州兵慰労イベントの際にも抗議活動を行った。 同イベントでは、トッド・ブランチ代理司法長官やホワイトハウスの最側近であるスティーブン・ミラー氏らが出席し、市内の治安対策や建国250周年行事に向けた警備体制について州兵らに語りかけた。 ヘグセス長官は「これは正義であり、素晴らしい任務だ」と述べた。 国防総省は取材に対して統合タスクフォースD.C.に問い合わせるよう回答したが、同タスクフォースは一連の配備に関する質問に回答しなかった。 チャタジー氏はAP通信に対し、要員を派遣した民主党の知事らは、自州の州兵が昨年の大統領令で設置され市内の治安維持を担うとされる「安全・美化タスクフォース」の一環として利用される可能性を「知らぬふりをしている」と批判した。 ミネソタ州は当初予定していた7月23日の復帰期限を前倒しし、11日に州兵を撤収させる方針だ。 同州州兵の広報担当代理を務める空軍少佐は声明で、前倒しの理由を「祝賀行事が無事に終了したため」と説明しており、活動家らの懸念には触れなかった。 ミシガン州兵の配備計画は8月31日まで続く予定となっている。しかしホイットマー知事は、治安維持の継続的な配備にミシガン州兵が利用されているとの報告がさらに上がれば、派遣を打ち切ると警告している。同知事は先週、同州州兵の司令官に宛てた書簡の中で、州兵の任務を建国250周年行事に限定するよう求めた。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加