北中米ワールドカップの決勝戦を担当する主審が、過去に売春・麻薬密売に関連する容疑で逮捕されていた。そんな衝撃的な事実を、フランスメディア『RMC SPORT』が報じている。 スペイン対アルゼンチンの一戦で笛を吹くのは、スロベニア人のスラフコ・ヴィンチッチ氏だ。記事によれば、同氏はFIFA(国際サッカー連盟)から大役を告げられた際、同僚たちの前で頭を抱え、涙ぐみながら、その感動を隠せなかったという。 本人は「衝撃と、そして喜び。震えた。ワールドカップ決勝の主審を務めることは信じられない名誉だ」と語っている。 今大会ではここまで3試合を担当。ブラジル対モロッコ戦では、モロッコ代表のアシュラフ・ハキミがブラジル代表のヴィニシウス・ジュニオールの足首に加えた危険なタックルに対し、カードを出さなかった判断が大きな議論を呼んだ。 このジャッジについて、アメリカ放送局『Fox Sports』で解説員を務める元スウェーデン代表FWのズラタン・イブラヒモビッチは「審判はコントロールしなければならない。これは選手の安全の問題だ」と苦言を呈している。 また、ヴィンチッチ氏はスペインのクラブが関わる試合での判定でも悪評を買ってきたという。VAR関連メディアの『Archivo VAR』は、彼の指名について「FIFAは世界中をからかっている。このスロベニア人はヨーロッパで悲惨なシーズンを送り、インテンシティが上がると試合のコントロールを失った」と厳しく批判した。 具体例として、昨季のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でのレアル・マドリー対バイエルン・ミュンヘン戦が挙げられる。R・マドリーのエドゥアルド・カマビンガに対し、時間稼ぎで2枚目のイエローカードを提示。だが、その8分前にファウルで警告していたことを忘れていたかのような形でカードを出し、退場としたのだ。 また、バルセロナもCLのインテル戦で、デンゼル・ドゥムフリースの明らかなハンドが見逃されてPKが与えられなかったり、アンス・ファティの手に当たったとしてペドリのゴールが取り消されたこともあった。 最も衝撃的なのは、2020年にボスニア・ヘルツェゴビナで売春と麻薬の組織犯罪に関する警察の強制捜査で逮捕されたことだ。この摘発では、26人の男性と9人の女性が拘束され、コカイン、銃、現金が押収された。ヴィンチッチ氏は犯罪組織の性的サービスを利用した疑いがかけられた。 本人は当時、スロベニアメディア『Vecer』に対し、「ビジネスランチの招待を受けただけだった。それが私の最大の間違いだったと後悔している」「逮捕されたグループとは何の関係もない」と潔白を主張。目撃者として事情聴取を受けた後、釈放された。スロベニアサッカー連盟も「不運な偶然の一致」「たまたまその場に居合わせただけ」として彼を擁護している。 決勝の主審に抜擢されるほどの実力者だが、スキャンダラスな過去もあるようだ。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部