カンボジアの大規模なオンライン詐欺(スキャム)犯罪拠点の黒幕とされるプリンスグループ創業者の陳志(38)が、中国へ移送されてから約6カ月後に正式逮捕された。 27日、中国メディア「財新」によると、中国検察は今月6日、陳志の逮捕を承認した。今年1月7日、カンボジア・プノンペンで中国公安部が現地当局と協力して陳志を中国へ移送してから約6カ月となる。これにより、中国の捜査当局は陳志を正式に勾留し、本格的な刑事訴追手続きに入る見通しだ。 陳志は中国・福建省出身だが、カンボジア国籍を取得している。2000年前後に学校を中退し、2014年にカンボジアへ移住した。2015年からプリンスグループを運営し、オンライン詐欺組織や違法賭博場を運営するとともに、人身売買や強制労働などに関与した疑いが持たれている。今回の逮捕では、中国へ移送される際に取り沙汰された犯罪収益隠匿容疑は除外された一方、著作権侵害と故意傷害の容疑が新たに加えられた。陳志は特に、昨年10月、カンボジアで20代の韓国人大学生が拷問を受けて死亡した事件の黒幕としても名前が挙がっていた。 陳志とプリンスグループは、米国や英国でも制裁や捜査の対象となっている。米国の検察は昨年、陳志を通信詐欺共謀やマネーロンダリングなどの容疑で起訴し、捜査の過程で約150億ドル(約2兆4500億円)相当のビットコインを押収した。また、韓国やシンガポールなど一部の国も、プリンスグループと関連する資産を差し押さえたり、関係者を逮捕したりしている。 中国は最近、ミャンマーやカンボジアなど東南アジア地域を拠点とするオンライン詐欺や違法賭博など、国境を越えた犯罪に対する取り締まりと国際協力を強化している。中国公安部によると、これまでにカンボジアは通信詐欺や殺人などの凶悪犯罪に関与した容疑者約2万人を中国へ送還した。