ドラマや映画によく登場する「警視庁公安部外事課」。「聞いたことはあるけど、具体的なイメージが湧かない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。日曜劇場『VIVANT』の監修を務めた元警視庁公安部外事課の勝丸円覚さんは「公安警察の活動は、人々に称賛されることも評価されることもほとんどない。それでも彼らは、来る日も来る日も地べたを這うような地道な任務を続けている」と語ります。そこで今回は勝丸さんの著書『警視庁公安部外事課 スパイ・テロを水面下で阻止する組織の実態』より一部を抜粋し、知られざるインテリジェンス(諜報)の世界をお届けします。 * * * * * * * ◆公安あるある その1 「結婚」 公安の部員は、結婚を考えている相手の素性を調査する義務がある。恋人本人はもちろん、その親きょうだいも含めてだ。交際している時に親きょうだいのことをくわしく訊ねたりすることもあるため、それが原因で破談になることもある。私の知るところでは、二回も破談になった者がいる。 部員の中には、交際相手の親きょうだいの生年月日をさりげなく聞き出すために、「実は占いに関心があって、キミのご両親の生年月日を教えて」というテクニックを使う者もいる。 公安あるある その2 「符丁」 これは公安に限らず警察全体に言えることだが、外部の人には意味がわからない符丁を使うのが好きだ。 公安警察官の符丁は「ハム」で、公の字をカタカナ読みしたもの。私も潜入捜査中に警察官と出くわした際に、「オレはハムだよ」とやむなく身分を明かしたこともある。ちなみに、外事は漢字を訓読みした「ソトゴト」だ。