「だまされて加担」でも送検、有罪の見込みがなくても逮捕!? 警察が乱発する"無理筋逮捕"に正義はあるのか?

「結果的に犯罪に加担したことを反省している」 沖縄タイムスなどの報道によると、沖縄県警・豊見城署が7月21日に書類送検した40代の会社員の女性は、同署の調べに対しこう口にした。この女性は、犯罪収益移転防止違反(犯収法違反)の容疑で刑事処分を受けていたというが、一体何があったのか。 「女性が問われたのは、7月10日から新たに施行された『送金犯罪』の容疑です。犯収法違反の改正に伴って新設された罰則で、『商取引・金融取引などの正当な理由がないのに、有償で他人に送金犯罪を依頼・誘因する行為』あるいは『依頼を受けて実行・勧誘する行為』が摘発対象となったのです」(地元メディア関係者) 有罪になった場合、2年以下の拘禁刑あるいは300万円以下の罰金のいずれか、またはその両方が科される。また、行為が反復継続されていた場合は、さらに拘禁刑が5年以下、罰金は500万円以下とさらに重くなる。 豊見城署は全国で初めて、送金犯罪の刑事処分にこぎつけた形だが、女性が罪に問われた背景を見ると、他人事として片づけられそうもない事情があるようだ。 【「知らずに加担」でも摘発】 「女性はインスタグラムで副業を探していた時、素性の知らないアカウント主から誘われて事件に巻き込まれたようです。LINEに誘導され、『短期バイトのスタッフへの報酬支払い』のためと称して自身の金融機関の口座での取引に応じた。女性の口座には計約175万円が振り込まれ、ネットバンキングを通じてほかの6口座への送金が確認されました。金融機関側が不自然な取引に気づいて口座を凍結したことを不審に思った女性が、豊見城署に相談して事件に巻き込まれたことに気づいたそうです」(同前) 女性が自身で警察に相談している点からも、女性側に「犯罪に加担した」という自覚がなかったことが容易に想像される。 捜査当局が法改正による捜査対象の拡充を急いだ背景に透けるのは、近年の特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害拡大がある。警察庁によるとこうした詐欺被害について、2025年の被害総額は約3257億円にのぼるとされている。 こうした犯罪の背後に常にちらつくのは「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の影であり、警察庁がマネーロンダリング(資金洗浄)捜査の拡充を新たな組織犯罪への対応策と位置づけているのは明白だった。 「犯収法に『送金犯罪』の罰則が加わる直前の5月には、フィリピンを拠点とした強盗グループの資金洗浄に関わったとして男女3人が詐欺容疑で逮捕されています。グループによる犯罪収益の一部が海外の暗号資産経由所を経由し、少なくとも30の暗号資産口座などを通して"洗浄"されたとみられますが、逮捕された男女の一部は詐欺罪での立件は困難として不起訴になっています。捜査当局の念頭には、マネーロンダリングの典型となっている、銀行送金と暗号資産が混在した多層の資金移動があるのは間違いないでしょう」(大手紙社会部記者) 【捜査当局に好都合な解釈】

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