中国メモリーメーカー長鑫存儲技術(CXMT)が上海証券市場上場に成功し、本社を誘致した合肥市の企業投資が注目されている。今回のCXMT創業時に出資して本社と工場を誘致し雇用だけでなく地方政府財政まで増やしたいわゆる「合肥モデル」の新たな成功事例に選ばれる。 CXMTは27日の上場初日に公募価格8.66元に対し取引時間中に535%の急騰を見せ55.03元まで値を上げ、終値基準でも466%上昇の49元となり、時価総額3兆2800億元(約79兆2041億円)で中国本土の証券市場時価総額1位となった。28日には4.08%の調整を受けて3兆1400億元に減ったが、時価総額1位は死守した。 最大の恩恵を得たのは安徽省の国有資本だ。ブルームバーグは「安徽省が合肥産業投資持ち株グループ(合肥産投集団)などで構成されたネットワークを通じCXMTの株式約40%を保有しており、これは27日の終値基準で評価額が1兆3000億元に達する」と報道した。合肥市の持ち分だけ別に計算すれば33.1%水準で28日の終値基準1兆400億元水準だ。 ただこのジャックポットの設計者は現在北京近郊の秦城監獄で服役中だと香港紙の明報が29日に報道した。2005年から10年間にわたり合肥市の市長と書記を務めた呉存栄氏は3月に北京市第2中級人民裁判所で1億2700万元の収賄容疑で無期懲役を宣告された。 呉存栄氏の履歴は合肥モデルそのものだ。2005年の合肥市長就任当時GDP850億元にすぎなかった内陸都市は彼が市長と党書記として勤めた10年で6200億元の都市に跳躍した。2008年の金融危機でぐらついたディスプレー企業BOEを誘致するため、孫金竜合肥市書記(当時)とともに地下鉄建設を先送りして市の年間財政の3分の1を投じた決定も彼の在任中になされた。この賭けは成功し現在世界のディスプレーパネルの4分の1をBOEが生産する。 呉存栄氏の成功神話にインスピレーションを受けたCXMTの朱一明会長は会社を合肥で創業することに決めた。当時合肥市党書記だった呉存栄氏はCXMTプロジェクト関連企業に100億元以上を投資することに決めた。外部は半導体産業に対する「無謀な賭け」と評価した。 呉存栄氏の没落は逆説的に成功の副産物だった。大規模産業誘致はそのまま許認可、土地、資金配分の権限の集中を意味し、彼の妻と息子が巨額を得ていたと伝えられる。ただCXMTの上場成功が伝えられると中国のオンラインには無能な地方の役人が蔓延する最近の世相を批判しながら「有能だが腐敗した」呉存栄氏に対する郷愁が広がっていると明報は指摘した。 ◇CXMT勤務の韓国人、反スパイ法違反で3年にわたり収監 一方、CXMTの上場の話に反スパイ法で逮捕された韓国人収監者にもスポットが当たっている。合肥に住む50代の韓国人Aさんはサムスン電子半導体部門出身の技術者で、2016年にCXMTから招聘された。その後中国国内の他の半導体企業へ転職したAさんを合肥市国家安全局はCXMT在職時の半導体関連情報を韓国に持ち出したとして2023年12月にスパイ容疑で逮捕した。5カ月余りホテルで尋問を受けたAさんは2024年5月に送検され、同年10月に逮捕から約1年を経て韓国メディアの報道により逮捕の事実が明らかになった。 2023年7月に改正された反スパイ法を適用されたAさんの逮捕に対し、中国外務省報道官は当時「法に基づき違法な犯罪活動を摘発した」と明らかにした。逮捕から3年が過ぎたこれまでAさんの裁判や釈放の便りは伝えられていない。1月に北京の韓国大使館高位関係者は、同月の李在明(イ・ジェミョン)大統領の訪中時にAさんの問題は議論されなかったと明らかにした。