岐阜県内で太陽光発電施設の金属ケーブルの窃盗が相次いでいる。2025年は全国での認知件数が減少した一方、県内で増加傾向は続き、今年も6月末時点で認知件数が昨年1年間を上回った。金属価格の高騰に加え、県内には山間部などの人目につきにくい場所に同施設が多数設置されていることも背景にあるとみられ、県警は警戒を強めている。(林昂汰) ■純度高い銅高額取引 警察庁によると、金属ケーブル窃盗を含む金属盗は統計を始めた2020年から24年まで増加傾向だったが、25年は減少。金属ケーブル窃盗が減ったためとみられる。 一方、岐阜県内は、24年が337件で、25年が338件。このうち、同施設での金属ケーブル窃盗の認知件数は23年は16件だったが、24年に63件に急増し、25年も98件と増加。26年は6月末時点で99件(前年同期比63件増)と、既に昨年1年間の件数を上回る。捜査関係者は、窃盗グループが犯行場所を関東から県近郊に移した可能性があるとみており「早期に手を打たないといけない」と警戒を強める。 金属ケーブルが狙われるのは、銅線に純度の高い銅が使われ、高額取引されていることも理由という。 ■二次被害大きく 岐阜県警捜査3課などによると、太陽光発電所などではケーブルが切断されて盗まれるため、電力の送電も停止する。修繕費は多額で、被害金額が億単位に上るなど二次被害は甚大で、窃盗被害に遭った施設では保険加入の条件が厳しくなる場合もあるという。 企業側も自衛しており、犯人検挙に至ったケースもある。 岐阜市芋島の電気工事業「鈴電」の関連会社「MirateX」では今年3月、本巣市の自社管理の同施設で銅線の窃盗被害に遭ったが、自社製のタグをケーブルに取り付けていたため、ケーブルの場所が判明。岐阜市の電気工事関係会社員の男(55)の逮捕につながった。 同社によると、タグは「資産管理用」で、ケーブルの位置情報が一目でわかる。同社では同社製タグがケーブルの追跡に役立つとして広げたいと考えている。 また、同課も被害を食い止めるため、定期的な見回りを強化。金属買い取り業者には出所不明の金属の買い取りを控えるよう求めている。 同課の石原庸祐次席は「見慣れない不審な車両を見かけたら通報してほしい」と話した。