8月4日の朝8時過ぎ、栃木県警鹿沼署に集まったメディアの前に姿を現したのは色白の小柄な女だった。後ろで一つに束ねた髪は、先のほうが茶色い。女は眉間にシワを寄せ、何か言いたげに大きな目でカメラを睨みつける。数秒間じっと睨んでいた女だったが、やがて視線を落として護送の車に乗り込んでいった──。 「チェーンソーで切りつけられた」 一瞬、耳を疑ってしまうような110番通報があったのは8月2日の午後のことだった。 宇都宮市内の駐車場に駆けつけた警官に殺人未遂の現行犯で逮捕されたのは住居不詳・無職の永田望容疑者(36)。小型のチェーンソーで親族の60代男性を殺害しようとした疑いだ。 「午後3時ごろ、この男性が駐車場で荷物を取るために車に近づいたところ、突然、チェーンソーを持った永田容疑者が現れ、男性の正面から刃が回転しているチェーンソーを右腹部に突き刺したということです。永田容疑者は男性を待ち伏せていたと思われます。 男性は、腕と腹にケガを負いましたが命に別状はなく、永田容疑者を取り押さえて、自ら警察に通報していました。男性は『襲われる理由に心当たりはなく、突然襲われた』と話しており、永田容疑者は『言いたくありません』と供述しています」 事件が起きた日は、宇都宮では『ふるさと宮まつり』が行われていた。土日の2日間で数十万人が集まるという盛大なお祭りの最中に起きた事件に、近隣の人たちも衝撃を受けたようだ。 「たまたま現場を通りかかったのですが、パトカーが7台、警察が私服も合わせて15人ぐらいいたかな。最初はお祭り絡みのケンカか何かだと思ったら女がチェーンソー振り回したっていうんでびっくりしました。駐車場には血の痕とか、そういうのはなかったけど、とにかく慌ただしい雰囲気でした」(近くに住む男性) 一部の報道では、永田容疑者は現場の近くに住んでおり、酒に酔ってトラブルを起こすことで有名だった。アパートにパトカーが来ることもあったそうだ。襲われた男性は父親だという。