「断れず水増し請求」下請け業者側が主張 万博工事巡る背任事件

大阪・関西万博の整備工事を巡る背任事件で、逮捕された大手ゼネコン・竹中工務店(大阪市)の元所長と共謀し、工事費を水増し請求したとされる下請け業者の弁護人が21日、毎日新聞の取材に応じた。弁護人は業者について「元所長の指示を受けて水増しした」と認め、「従属的な立場だった。発注側の責任者からの指示で、従わざるを得なかった」と主張した。 大阪府警に背任容疑で逮捕されたのは、竹中工務店の元大阪本店総括作業所長、河井辰巳容疑者(61)。奈良県内の下請け業者と共謀し、2025年に約1370万円を水増しした工事費を請求し、竹中工務店に損害を与えたとされる。 ◇リフォーム費、一部は男性負担のまま 弁護人の説明によると、下請け業者の代表取締役を務める男性は、河井容疑者から指示を受けた金額で竹中工務店へ請求書を提出。水増し分は、河井容疑者に返金すると認識していたという。 しかし、河井容疑者は男性に自宅など複数の不動産のリフォームを依頼。男性が改修を手配し、代金を負担していた。費用は水増し分の利益では足りず、一部は男性が負担したままになっているという。リフォーム代は総額6000万円以上とされているが、全てが男性による水増しによって捻出されたものではないとの認識を示した。 ◇元所長、業者選定などに大きな権限 府警などによると、男性は河井容疑者と15~20年前に仕事を通じて知り合って以降、下請けとしての関係が続いていた。河井容疑者は万博工事の現場責任者として、業者選定や支払額の決定など大きな権限を持っていた。弁護人は「男性は深く反省し、捜査に全面的に協力している」と話した。【水谷怜央那、安徳祐】

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