失踪事件巡る韓国警察の不祥事 複数の失踪事件で書類捏造疑惑

ソウル、韓国、8月28日 (AP) ー 韓国の警察官による2件の失踪事件での書類捏造疑惑が、警察の監視体制の穴を露呈させ、警察に対する国民の不信感をあおっている。 これら2件の失踪者を含む計4人の遺体が、過去数日間に韓国で最も人気のあるリゾート島である済州(チェジュ)島で発見され、メディアの取材合戦を引き起こしている。この不祥事は、検察から捜査権が剥奪され警察により大きな権限が与えられる司法制度の再編を控えた時期とも重なっている。 国民の懸念に応えるかたちで、李在明(イ・ジェミョン)大統領は25日の閣議で、警察改革の策を模索するよう首相に指示した。 ある事件で、ブという姓のみが明かされている警察官が、3カ月以上前に失踪した37歳の女性の無事を確認することなく、失踪の”捜索”を打ち切った。ブ容疑者は当時、女性の交際相手に対し、電話で本人と連絡が取れたが「自分の居場所を明かさないよう求められた」と虚偽の説明をしたとされる。 この女性の遺体は24日、済州島のヤシの木農場で発見された。 ブ容疑者による捏造を後から知った遺族は今月上旬、女性の写真をインターネットに投稿して情報提供を呼びかけ、これが大規模な報道につながった。 警察によると、この警察官は先月にも60代男性の失踪届を同様の虚偽の供述で打ち切っていた。この男性の遺体も22日、同じく済州島で見つかった。 警察は24日、ブ容疑者を逮捕し、同容疑者が昨年以降に担当した298件の失踪届すべてを調査するとともに、なぜこれら2件を不正に処理したのか理由の解明を進めていると発表した。 「済州における失踪事件の処理を巡り、国民に懸念を抱かせたことを深くお詫び申し上げる。再発防止に向け、システム全体を検証し制度的な改善を行う」と、警察庁長官代行のユ・ジェソン氏は24日、国会委員会で述べた。 同氏は、今回の失態は個人の問題とシステム上の欠陥が重なった結果であると語った。現在は停止されている体制下では、警察官が上司に報告することなく独断で失踪届を打ち切ることが認められていた。 尹昊重(ユン・ホジュン)行政安全相と済州警察庁のコ・ピョンギ庁長もそれぞれ陳謝した。 今年前半にも警察は、女子高校生が惨殺された事件を巡り猛烈な批判を浴びた。容疑者の父親である警察官と他の警官らが、強姦未遂の容疑を免れさせ、より重い刑罰を回避させるために証拠を隠滅したとして告発されたためだ。 中央日報は25日の社説で、「警察機構の欠陥が表面化し、警察への信頼が暴落する中で国民の不安は高まっている。失踪届を出しても捜査が行われないとなれば、一体どこを頼ればよいのかと人々が疑問に思うのも無理はない」と論じた。 韓国メディアによると、警察は済州島で23日と24日に2つの遺体を発見した。これらはいずれも警察に失踪届が出されていたが、ブ容疑者は関与していなかった。 一連の事件は、韓国人にとって最も愛される観光地の一つである済州島のイメージを損なう恐れがある。朝鮮半島の南海岸沖に位置するこの島は、その絵のように美しい火山風景から「韓国のハワイ」と呼ばれてきた。 韓国のSNS上では済州島の安全に対する不安を煽る書き込みが殺到しており、根拠のない噂を広めたり島を嘲笑したりする動きも見られる。済州島の当局者は、島を訪れる観光客の数に目立った変化はないと説明している。 済州島の魏聖坤(ウィ・ソンゴン)知事は27日、島をより安全にするための施策を発表した。これには、統合対応マニュアルの策定、防犯カメラの増設、警察と民間ボランティアによる共同パトロールの強化などが含まれている。 魏知事は記者会見で、「済州島民や訪問者の日常生活を守り、安全な目的地としての済州への公的信頼を維持するため、あらゆる努力を集中させる」と述べた。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

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