大ヒット恋愛リアリティショー『ラヴ上等』(Netflix)の参加で注目を集めた、“おとさん”こと小野乙葉。8月19日に発売した初の著書『毒愛』では、毒親、パパ活、整形、香港での逮捕・収監といった数奇な半生が赤裸々に綴られている。同番組で自身のルーツを見つめ直したことがきっかけで生まれたという1冊には、身近に犯罪が潜んでいることの警鐘や、母親との複雑な関係への向き合い方も込められている。その執筆の背景にある思いや、『ラヴ上等』出演によって生じた変化を聞いた。(前後編の前編) ――8月19日に発売した初の著書『毒愛』は、どういうきっかけで執筆することになったのでしょうか。 小野 恋愛リアリティショーに出たのをきっかけに、いろいろな人の経歴を聞くうちに、自分はどういう経緯でメンヘラになったんだろうと考えたんです。そのルーツを探るために、1枚のA4用紙にツリーみたいな形でワードや、その時の気持ちを書き出していったんです。その中には、世に出せないワードもたくさん入っていたんですが……。それを番組のキャスティングなどを担当している岩橋健一郎さんに見せたところ、「これはとんでもないぞ!」と。 ――ヤンキー文化に精通する岩橋さんが言うと説得力がとんでもないですね。 小野 ただ、良い感情や悪い感情、正当化したい気持ちなどが、ぐちゃぐちゃに書いてあったので、「これを綺麗に整えて、本に落とし込むのがいいんじゃないか」というお話をいただいて、そのツリーを整頓して文章にしていくうちに、自叙伝のような体裁になりました。正直、ここまで赤裸々な内容を世に出していいのかという思いもあったんですが、こういう経験をしてきたからこそ、今の私からこういう言葉が出てくるんだというのを分かってもらいたくて、恥ずかしい過去を開示しました(笑)。 ――逮捕歴などは断片的に明かされていましたが、ここまで詳細な内容は語っていなかったですよね。 小野 ある程度はメディアでも話していたんですが、さすがに全てを語ることはできなくて。でも最近はマスコミに取り上げられることも増えて、後から悪い過去が出てきた時に言い訳もできないので、そうなる前に伝えないといけないなと思っていました。ただ不良にもいろいろなジャンルがあって、これまでやってきた悪いことにも濃淡がある。番組に集まった子たちと話していると、私のやってきたことなんてかわいいものだなと思うくらい、とんでもない過去の子もたくさんいたんです。そういう過去を聞いた上で、私がグレてしまった原因も普通じゃないなってことに気づいたし、一般的な不良じゃなくて、今で言う闇バイトみたいな。ちょっとしたきっかけで、普通の子が悪事に手を染めてしまう怖さを伝えられる存在になれると思ったんです。そうした思いも『毒愛』に込めました。