名古屋女性殺害 損賠訴訟で被告側、争う姿勢「除斥期間が経過」

1999年に名古屋市西区のアパートで高羽(たかば)奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、殺人罪で起訴された安福久美子被告(69)に遺族が慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、名古屋地裁(笹本哲朗裁判長)であった。被告側は不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」が経過しているとする答弁書を提出しており、争う姿勢を示した。 事件は99年11月13日に発生。奈美子さんが自宅アパートで首などを刃物で刺され死亡しているのが見つかった。2025年10月31日、現場の血痕と、夫の悟さん(70)の同級生だった安福被告のDNA型が一致したことなどから愛知県警が逮捕した。 悟さんと長男の航平さん(28)は今年3月に提訴。現場保存のために悟さんが借り続けてきたアパートの家賃計2200万円超や慰謝料、奈美子さんの逸失利益などを含む計約1億2000万円の損害賠償を求めている。 被告が逮捕されたのは事件発生の約26年後で、訴訟では除斥期間の起算点が争点の一つとなる。 被告側は答弁書で「原告が主張する不法行為を前提としたとしても、除斥期間を排除すべき事案とはいえない」などと主張。事件の事実関係についても「包括的に黙秘権を行使する」としている。 閉廷後、名古屋市内で記者会見した悟さんは「未解決事件の場合、遺族は犯人が捕まらないと損害賠償の請求先もわからない。20年で必ずしも請求できるわけではない」とし、除斥期間は適用されるべきではないと訴えた。 その上で「他の犯罪被害者遺族の方たちの希望も担い、いい判例を勝ち取りたい」と強調した。 刑事裁判の日程は決まっていない。【渋谷雅也】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加