先月、徳島市で開催された「阿波おどり」の会場周辺で、約1時間半の間に女性4人から立て続けに財布をすり、現金約5万円を盗んだとして73歳の女が逮捕されました。 女が狙ったのはいずれも屋台に並んでいた女性で、自分の上着を使って手元を隠し、人混みに紛れて犯行を繰り返していたとみられています。 窃盗の疑いで逮捕されたのは、京都府向日市の無職、中津ユミコ容疑者(73)です。 警察によりますと、中津容疑者は先月14日の午後6時15分ごろから午後7時35分ごろまでの間に、徳島市南内町の公園や路上で、20代から40代の女性4人のショルダーバッグやポーチなどから、現金あわせて約5万円が入った財布4つを盗んだ疑いがもたれています。 ■5分から10分で次々とすりか 中津容疑者がこの日、最初に盗んだとされる相手はショルダーバッグを持つ40代の女性で、犯行は午後6時15分ごろからわずか5分間だったといいます。 次はその直後の午後6時20分ごろで、20代の女性から、こちらもわずか5分間で財布を盗んだということです。 3件目、4件目はその約1時間後で、20分間に20代と30代の女性が次々と財布をすられたということです。 被害に遭った女性4人はいずれも当時、屋台で買い物をしていて、別の屋台に移動しようとした際や歩いている途中に、財布がないことに気づいたということです。 ■“上着を標的にかぶせて視界をさえぎる”巧妙な手口 屋台の順番待ちをしている客ばかりを狙ったという中津容疑者。 祭りの人混みを利用して背後からかばんを持った人に近づき、周囲の人に気づかれないよう、自分の上着を標的のかばんにかぶせて視界をさえぎったうえで、手を突っ込んで財布を抜き取っていたということです。 ■すりなど専門の大阪府警・捜査三課と特別捜査班を編成 阿波おどりの会場には、全国から観光客が押し寄せます。 事件が起きた先月14日、徳島県警本部の捜査一課と徳島中央署は、すり犯罪などの摘発を専門とする大阪府警の捜査三課から応援捜査員の派遣を受けて、「すり犯特別捜査班」を編成し、警戒に当たっていました。 中津容疑者は、3件目の犯行をパトロール中の捜査員らに押さえられ、現行犯逮捕。自分の財布とは別にほかにも複数の財布を持っていたため、捜査が続いていました。 ■「私の悪い癖が出て…」 最初に逮捕された直後の取り調べに対し、中津容疑者は「阿波おどり客のカバンから財布をすって盗んだことに間違いない」と供述していたということです。 今月9日に1件目、2件目と4件目のすりの疑いで再逮捕された中津容疑者は、取り調べに対し、「私の悪い癖が出て、屋台で順番待ちしていた女性のバッグから財布をすりとったことに間違いない」と供述し、容疑を認めているということです。 中津容疑者が居住地の京都府向日市から離れた徳島市の阿波おどり会場に来ていた理由は分かっておらず、警察が引き続き捜査しています。