大阪・関西万博の工事費を水増し請求したとして、竹中工務店社員の河井辰巳容疑者(61)が背任の疑いで大阪府警に逮捕された事件で、水増しのきっかけは、自宅などのリフォーム工事代金の滞納だった疑いがあることが捜査関係者らへの取材でわかった。 リフォームを手がけた会社は、竹中工務店の下請けとして万博の工事も請け負っていた。 河井容疑者はリフォーム代の支払いを免れるため、この会社に対し、万博の工事を受注できるように手を回す代わりに、竹中側への水増し請求を指示。水増しで得た金をリフォーム代に充てるよう持ちかけたという。 関係者への聴取などから判明したという。河井容疑者は万博会場工事の総括作業所長で、工事の発注先を選べる立場にあった。 大阪地検は9日、河井容疑者を背任罪で起訴したと発表した。 認否は明らかにしていない。 起訴内容によると、河井容疑者は2025年2~6月、下請け会社の関係者と共謀し、万博会場内の仮設事務所の内装工事費を竹中工務店宛てに水増し請求させ、竹中工務店に約1363万円の損害を与えたとされる。 府警によると、この下請け会社による河井容疑者の自宅などのリフォーム工事は23年6月から始まっており、総額は6千万円以上に上るという。 これらを支払えるめどがたたず、河井容疑者は滞納していたという。 下請け会社は、万博会場内でほかにも大屋根リング内のトイレなどの複数の工事を請け負っていた。 捜査関係者によると、河井容疑者はこれらの工事でも、この下請け会社に水増し請求を繰り返させていた疑いもあるという。 下請け会社の代理人弁護士は取材に対し、河井容疑者の自宅などのリフォーム工事をめぐっては、水増し請求で得た代金を含めても損失が出ている、と説明している。(黒田陸離、西崎啓太朗)