広島は9月9日の阪神戦に3-1で快勝し、連敗を3で止めた。首位の阪神に対戦成績で9勝9敗1分と健闘している。ただ、借金17の最下位で3位・DeNAと6ゲーム差。残り22試合で逆転でのCS進出は厳しい状況になっている。 今年の広島はグラウンド外の不祥事が暗い影を落とした。キャンプ目前の1月27日、広島に当時所属していた羽月隆太郎氏が、指定薬物のエトミデート(通称「ゾンビたばこ」)を使用したとして、医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕され、5月に拘禁刑1年、執行猶予3年の判決が言い渡された。公判では「周囲にも吸っているカープの選手がいた」という趣旨の証言をし、さらに衝撃が広がった。7月には羽月氏にゾンビたばこを譲渡したとして逮捕された“売人”と矢野雅哉、小園海斗、田村俊介が会食に同席していたと週刊誌「FLASH」が報じた。同席がそのまま違法薬物に関与したということではない。ただ、矢野は登録抹消され、3軍に降格。さらに球団は7月30日、広島県警が矢野と前川誠太の居宅などを捜索したと発表した。一方で小園が1軍で試合に出続けていることに「球団として説明責任を果たすべき」と批判の声が高まる事態にもなった。小園は守備で精彩を欠いたことなどを理由に、8月18日に登録抹消となった。 他球団の元編成担当は複雑な表情を浮かべる。 「球団の対応があまりにもお粗末だった。選手と売人が一緒に写った写真が世に出てファンはショックを受けているのに、報じられた小園は説明もないまま試合に出続けていた。これではファンの理解を得られない。各選手が違法薬物と関係ないなら、球団が選手たちを同席させて記者会見を開いて否定するべきでしょう。組織として危機意識が薄すぎます。心配なのは新井貴浩監督です。表情が硬く、やつれているように見える。選手に裏切られた思いは強いでしょう」 広島は16年から球団史上初の3連覇を飾ったが、19年から22年まで4年連続Bクラスと低迷。22年シーズンで佐々岡真司前監督が退任し、新井監督が指揮を執ることが決まった。就任当初の新井監督は、喜怒哀楽を前面に出して選手と共に戦うスタイルだった。22年の秋季キャンプに合流した初日、新井監督は練習前に選手やスタッフを集め、こう語りかけた。 「おまえたちが思っているより、俺はおまえたちみんなに期待している」 「カープという大きな家の中におまえたちがいるから、家族同然だと思っている」 「みんなで強くなって、みんなで優勝する、みんなで日本一になりたい」 チーム再建に着手した新井監督は就任1年目の23年に貯金9の2位に躍進。その旗頭となった選手の中に小園、矢野、羽月がいた。