俳優の中村ゆりさんが44歳の若さで死去した病気は、直腸がんだった。直腸は大腸のうち肛門に近い部分で、国立がん研究センターによると、2023年の1年間に約5万1000人が直腸がんと診断され、翌24年の統計では約1万6000人が死亡している。 大腸がんは現在の日本で最も多くの患者がかかるがんで、大腸の末端に当たる直腸で進行した直腸がんの場合、手術により肛門も一緒に切除して人工肛門を設けるケースがあり、患者の生活の質を大きく低下させる。 ■増岡弘さん、宮内淳さん、熊倉一雄さん… 罹患した著名人も多い。音楽ユニット「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)のメンバーで世界的な音楽家として知られ、23年に71歳で死去した坂本龍一さんは、14年に中咽頭がんと診断されたことを公表後、21年に直腸がんの治療を公表していた。 大相撲の第55代横綱北の湖として優勝24度を誇り、15年に62歳で死去した日本相撲協会の北の湖理事長の死亡原因は、直腸がんによる多臓器不全だった。 アニメ「サザエさん」のフグ田マスオ役で知られ、20年に83歳で死去した声優、増岡弘さんも直腸がんだった。「それいけ!アンパンマン」のジャムおじさんや「ドラゴンボールZ」の亀仙人といった数多くのアニメ作品に登場する人気キャラクターの声を担当した。 刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のボン刑事役で人気を集め、20年に70歳で死去した俳優の宮内淳さんや、ドラマ「名探偵ポワロ」の吹き替えで知られ15年に88歳で死去した喜劇俳優、演出家の熊倉一雄さんのほか、絵本「いないいないばあ」などの作品で知られ、10年に77歳で死去した絵本画家の瀬川康男さんも、直腸がんだった。 ■C・W・ニコルさん、高木仁三郎さん、石川知裕さん 作家で環境保全活動家としても知られ、20年に79歳で死去したC・W・ニコルさんや、在野の「市民科学者」として反原発の言論活動を続け、00年に62歳で死去した高木仁三郎さんも直腸がんだった。 元衆院議員で25年に52歳で死去した石川知裕さんも同様の病を患い、他界した。自身が秘書を務めた小沢一郎元衆院議員の資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書虚偽記入事件で10年に逮捕、起訴され、13年に議員辞職。翌14年に有罪判決が確定した。