【ブラジリア 9月14日】 クリスチアーノ・ザニン判事とジウマール・メンデス判事の執務室は14日(月)、旧マステール銀行の元オーナー、ダニエウ・ヴォルカーロの携帯電話から抽出されたデータの「全内容」を連邦警察(PF)から受け取ったと確認した。 データの提供は、両判事が連邦警察に対し正式な文書で送付を求めた後に行われたもの。この要請は、事件の報告官であるアンドレ・メンドンサ判事がデータの全面公開に抵抗したことを受けて出された。 メンドンサ判事は13日(土)、ヴォルカーロの携帯データを全判事に公開することは「捜査を危険にさらし」「審理を混乱させる」と主張していた。 最高裁は15日(火)に、モラエス判事とヴォルカーロの関係をめぐる調査開始の是非を審理する予定だ。 <ザニン判事とジウマール判事の要請> 両判事は先週、携帯電話の「全データ」を入手する必要性を強調し、「連邦警察が選別した一部のメッセージだけでは審理に十分ではない」と主張していた。 モラエス判事もファキン長官に対し、ヴォルカーロの携帯データの“ミラーコピー”を全判事に送付するよう求めていた。 モラエス判事は次のように述べていた。 「どの資料を合議体が閲覧できるかを報告官が選ぶことは許されない」 一方メンドンサ判事は、データの全面公開は不要であり、「審理に必要な情報はすでに他の判事と同じ内容を共有している」と反論していた。 <15日の審理:52件のメッセージが焦点に> 15日(火)の本会議では、連邦警察が提出した報告書が審理の中心となる。 報告書によると、ヴォルカーロは2023年から2025年11月17日(予防拘禁の日)までに、モラエス判事へ52件のメッセージを送信したとされる。 メッセージの中でヴォルカーロは、マステール銀行とモラエス判事の妻である弁護士ヴィヴィアネ・バルシ・ジ・モラエスの事務所との1億3,100万レアルの契約をモラエス判事の判断に委ねる形で送付しているように見えるほか、別の箇所では、自身の逮捕に向けた差し迫った連邦警察の作戦について情報を求めている。 現時点でモラエス判事はヴォルカーロとの接触を全面的に否定している。連邦警察によれば、元銀行家に対する相手側の返信は復元できなかったという。 最高裁は、審理の具体的な進行方法や、モラエス判事・メンドンサ判事が出席するかどうかについて、現時点で明らかにしていない。 <背景:最高裁の危機と対立> 最高裁は現在、ヴォルカーロの携帯データをめぐり深刻な内部対立に直面している。 連邦検察庁(PGR)は、連邦警察の報告書の「無効化」を求めており、理由として「メンドンサ判事が同僚判事に対する捜査の進展を本会議に報告せずに許可した」と指摘している。 メンドンサ判事が報告書の機密を(部分的に)解除したことで、モラエス判事とヴォルカーロの関係が公になり、最高裁内部の緊張が一気に高まった。 モラエス判事はこれに反発し、メンドンサ判事が「政治的敵対者を狙い撃ちする目的で捜査を誘導した疑いがある」とする連邦警察の“インテリジェンス報告書”を公開した。 しかし、この文書には署名がなく、連邦警察の公式ロゴも付されていないうえ、表紙には「本資料は推測に基づいて作成されたものであり、証拠価値はない」との注意書きが記されている。 モラエス判事は、メンドンサ判事が「権力濫用」「行政不正」「職務犯罪」に該当する行為を行った疑いがあるとして、ファキン長官に正式な捜査開始を求めている。 ファキン長官は、この申立てを 9月23日に審理すると決定した。 (記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)