SNSで偽・誤情報が飛び交った沖縄知事選 落選した玉城氏「ひどい有り様が野放しになっている」

9月13日に投開票された沖縄県知事選では、自民党や日本維新の会、国民民主党、参政党などが推した古謝玄太氏が、現職の玉城デニー氏に圧勝した。古謝氏が42万3124票と過去の沖縄県知事選で最多の票を獲得したのに対し、玉城氏は27万6060票で、15万票近く引き離された。メディアの告示前の情勢分析では玉城氏が優勢という見方があっただけに、突然わき上がった大きな流れに飲み込まれたような選挙だった。 投票が締め切られた午後8時、早くも古謝氏に「当確」が出ると、玉城氏は支援者に向かって深々と頭を下げた。 「これが政治の結果だということであれば、それをしっかりと受け止めることが民意です。都合のいいことだけが民意ではない」 敗北を謙虚に認めた玉城氏だが、敗因について問われると口調が変わった。 「選挙に名を借りた、ひどい有り様が野放しになっている。特にSNSの状況」 ■多く見られた玉城氏批判の動画 今回の知事選を巡って、SNS上で偽・誤情報や誹謗中傷を含む多数の投稿や動画が拡散されていた。9月12日のNHKニュースによると、告示日以降の沖縄県知事選に関するXの投稿は106万件以上に達し、候補者への誹謗中傷や生成AIで作られた偽情報も多く拡散していた。またYouTubeで1万回以上再生された動画の40%は玉城氏を批判する内容で再生回数も圧倒的に多かった。次に33%を占めたのが古謝氏を応援する動画だったという。玉城氏にマイナスとなる内容の動画が多く見られていたことになる。 たとえば、知事選がスタートした翌日の8月28日、Xで「すべざりえ」と名乗るインフルエンサーが公開した動画は、 〈沖縄の皆さんにどうしても知ってほしいことがあります〉 と始まり、3月に京都府の高校の女子生徒らが死亡した辺野古沖の小型船転覆事故や、沖縄の米軍基地問題に対する玉城氏の対応を厳しく批判。そして、 〈知事が必死に『米軍基地をなくせ』と叫んでいる理由がわかってきた? 米軍基地があることで一番嫌な思いをしているのは誰? そう、中国〉 などと、玉城氏が米軍基地に反対を続けていることで、中国に与していると主張している。この動画再生数は、9月14日時点で400万回を超えていた。 実際には、玉城氏は米軍基地全体を「なくせ」と主張しているわけではない。これまで歴代の沖縄県知事は保守系、革新系を問わず、米軍基地の整理・縮小や負担軽減を訴えてきており、玉城氏の主張もその延長線上にある。しかし、SNSでは、玉城氏が日本と敵対する「中国寄り」の人物だと決めつけたり、中国の利益のために基地建設に反対しているかのように主張したりする動画や投稿が怒涛のように流れ続けた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加