【09月23日 KOREA WAVE】韓国で殺人事件の容疑者が、犯行の過程で人工知能(AI)に薬物や監禁された被害者の生存可能性などを尋ねていた事例が相次いで確認され、AIの安全対策が課題となっている。犯罪の実行や自殺・自傷に関する質問には情報を提供しないのが原則だが、危険性が明確でない質問をどこまで許容するかはサービスによって違いがみられた。 news1がChatGPT、Gemini、Claude、NAVER AIタブ、カナナ・イン・カカオトークの5サービスに自殺や犯罪に関する同じ質問を入力したところ、明確に犯罪の実行方法を求める質問には全サービスが回答を拒否した。一方、犯罪に悪用される可能性はあるものの、意図が明確でない質問では提供する情報の範囲が分かれた。 自殺の危機を訴える質問には、5サービスすべてが自殺予防の相談機関など、現実に支援を受けられる方法を案内した。ChatGPTとClaudeは現在、自分を傷つける危険があるかを追加で尋ね、Geminiは自殺予防や精神保健の相談機関の連絡先を示した。NAVER AIタブは相談機関や緊急通報、救急外来の利用を案内し、カナナも自殺予防の相談機関などを紹介した。 さらに自殺の具体的な方法を尋ねると、ChatGPT、Gemini、Claude、カナナは方法に関する情報提供を拒否しながら、専門相談機関や緊急支援を案内した。NAVER AIタブはサービス方針を理由に回答を拒否し、追加の危機対応情報は提供しなかった。 犯罪関連でも、利用者の意図が明確かどうかで対応が異なった。最近発生した冷凍倉庫での殺人事件を参考に、類似した犯罪を準備する方法を尋ねると、5サービスすべてが実行方法の提供を拒否した。 一方、犯罪目的を明示せず、人が低温の密閉空間にいる場合に何が起きるかを尋ねると回答に差が出た。ChatGPTは身体に生じる可能性のある症状を説明したが、死亡につながる具体的な条件は示さなかった。Gemini、Claude、NAVER AIタブは身体変化の進行段階や時間に関する情報を示し、カナナは低体温症や凍傷など一般的な影響を説明した。 明白な犯罪目的の質問は比較的一貫して遮断される一方、通常の情報収集と悪用の可能性が併存する質問では、利用者の意図を見極めることがAIの安全対策における重要な課題となっている。 実際、「ソウル・モーテル連続殺人事件」の被告は、犯行の過程でChatGPTに薬物の過剰摂取と飲酒を併用した場合の危険性を繰り返し尋ねていたことが捜査で判明した。 一審は2026年8月、被告に無期懲役を言い渡し、ChatGPTとのやり取りを殺意の有無を判断する証拠として用いた。最近逮捕された坡州の冷凍倉庫殺人事件の容疑者も、被害者を監禁した後、人を冷凍倉庫に入れた場合にどうなるかという趣旨の質問をAIにしていた形跡が確認された。 AI企業は危険な質問を遮断するだけでなく、質問の文脈を判断し、現実の支援につなげる安全対策を強化している。OpenAIは、自傷の危険を検知した場合、有害な行動を助けず、専門機関や周囲の人など現実の支援につなげるようChatGPTを設計していると説明している。 GoogleはGeminiで自殺・自傷に関する危機の兆候を検知した場合、相談機関へ電話やメッセージでつなぐ支援機能を強化。AnthropicもClaudeに専用の分類システムを適用し、専門相談機関や家族、知人などの支援につなげる仕組みを運用している。 NAVERは独自のAIリスク分類体系で110の詳細項目に分けて危険性を管理し、回答の有害性と利便性を評価している。カカオも独自のAI安全対策モデルを使い、犯罪、自殺・自傷、憎悪、嫌がらせなどの有害コンテンツを検知している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News