夏。千葉・九十九里浜は人でごった返す。その南の端、一宮町の砂浜で毎年オープンする1軒の海の家があった。ひと夏の売り上げは400万円超。もう20年近く営業を続けてきた。 だが、サーファーや海水浴客が目当てにしてきたラーメンやたこ焼きが、実は暴力団の資金源になっていた疑いがある。 10月、レジ打ちをしていた男性が警視庁に捕まった。肩書は「住吉会系組幹部」だった。 ◇売り上げ一部上納か 九十九里浜の海水浴場で、自治体の許可なく海の家を営業したとして、警視庁暴力団対策課は7日、指定暴力団住吉会系2次団体「幸平一家」の傘下組織幹部の男性を海岸法違反容疑で逮捕したと発表した。売り上げの一部を組織に上納していた可能性がある。 逮捕容疑は6月22日~8月31日、千葉県一宮町の一宮海水浴場で、町長の許可を得ずに海の家を営業したとしている。容疑を認めている。 ◇組幹部、自らレジ打ち 警視庁によると、町には親族の女性名義で「海ノ家 中村屋」として申請されていた。しかし実際には男性が自らレジ打ちや帳簿の管理をする実質的な経営者で、組員や知人がラーメンや焼きそば、おにぎり、酒を提供していた。2008年に営業を始め、7~8月には400万円以上を売り上げたとみられる。 海岸法や県の基準では、海の家の設置には自治体の許可が必要で、「暴力団員」は申請できないと定められている。 幸平一家(本部・東京都板橋区)は特殊詐欺を主要資金源にしているとされ、警視庁が壊滅を目指している。