「拠点こそ海外にありますが、特殊詐欺の被害の大半は日本国内で起きているといわれています。被害額は単純計算で一日10億円以上、年間4000億円以上と見積もられています。高齢者ばかりが狙われていたのが、いまでは若い世代までターゲットになっている。被害規模は大きくなる一方です」そう警鐘を鳴らす犯罪ジャーナリストの小川泰平氏(64)は今年6月、『トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)』の海外拠点を取材するためにタイとカンボジアを訪ねた(以下、「」は小川氏の発言)。振り込め詐欺や強盗など、様々な犯罪に関わっている「トクリュウ」。9月末には、カンボジアを拠点とする詐欺グループのメンバー2人が逮捕されている。「今年1月、警察官になりすまして宮崎に住む当時35歳の女性に『あなたに資金洗浄の容疑がかかっている』とカンボジアからウソの電話をかけるなどして、大金を振り込ませようとした疑いです。逮捕された2人のうちの1人は、カンボジアを拠点とする詐欺グループ内で“かけ子”のリーダーとして、10人ほどのメンバーを指導する立場にあったとみられています」(全国紙社会部記者)ここ数ヵ月間、タイやマレーシアにある詐欺グループの拠点が現地警察によって次々と摘発されている。日本の警察と連携することで検挙率が格段に上がっているのだ。それでも、詐欺グループは拡大の一途を辿っていると小川氏は言う。「詐欺グループの拠点はタイからカンボジア、マレーシア、ミャンマーなどへ広がっています。ただ、経済規模、衣食住いずれもタイが一番日本人に合っているのでしょう、ボスたちはタイに移住しているといいます。ボスたち犯罪組織の上層部が住んでいるのは大抵、タイのタワーマンションです。彼らは日本にいたときより良い生活をしていますよ」今回の取材で小川氏はこんな情報も得ていた。「特殊詐欺の黒幕といわれる人物、暴力団の元大幹部、風俗業界のトップといわれるような人物たちが円卓を囲み、話をしている写真を手に入れました。撮られた場所は一泊60万円、1ヵ月の賃料が1800万円というヴィラが点在している超セレブエリアです。そんなところに集まって一体、何の話をしていたのか? 取材を進めていますが、海外ではそんな会合が日夜、行われているのです」