古都・京都で約300年の歴史を持つ寺で起きた乗っ取り事件。逮捕されたのは、寺の元住職ら3人でした。住職が、なぜ事件の容疑者に?FNNは寺の関係者に内情を聞くことができました。寺の責任役員:びっくりですよ。なんでこんなことになるのって。京都市の中心部に位置する、浄土宗「西岸寺」。江戸時代に創建されたと伝えられる歴史ある寺が、事件の舞台となりました。9月、業務上横領と詐欺の疑いで逮捕されたのは、田口博也容疑者(42)と、母親の鈴木慈薫(じくん)容疑者(72)。さらに、西岸寺の住職だった逢坂慈教(じきょう)容疑者(74)です。3人は共謀して、西岸寺が所有する土地と建物を、寺を運営する宗教法人の承認を得ずに不動産会社へ無断で売却。約2億2600万円の売却代金を得たとみられています。今回の事件で、本堂や境内以外の全ての不動産を失った西岸寺。事件の背景に何があったのでしょうか。事件を最も近くで見てきた西岸寺の関係者が、内情を明かしました。ことの発端は、今から4年前の2022年。本堂が雨盛りしたことだといいます。西岸寺の責任役員:雨漏りした状態で内部を使うわけにはいきませんから、早く修繕しようと。最高で約5000万円もかかる修理費用について話し合っていたところ、逢坂容疑者が、寺が主催するイベントで知り合ったという鈴木容疑者を連れてきたといいます。鈴木慈薫容疑者:1000万円を投資してくれたら、600万円を配当しますよ。しかし、役員ら2人は疑いの目を向けていました。西岸寺の総代:明確な詐欺師だと。雰囲気が…話し方とか。平然と「配当金を払います」と言う。一般社会では絶対考えられない。それを当然のごとく話すから。その一方で、逢坂容疑者は魅力的な提案と捉え、次第に鈴木容疑者へ傾倒していったと言います。やがて寺の金の管理まで任されるようになった鈴木容疑者と田口容疑者は、寺の金を次々と引き出したということです。西岸寺の総代:(Q. 元々あったお金はいくら抜かれた?)5000万円は抜かれたと思う。多分、一銭も残ってないと思う。そして、鈴木容疑者らが次に目を付けたのが、寺が所有する“土地と建物”でした。西岸寺の責任役員:かなり広いですよ。100坪くらいかもっと広い。寺には、この土地と建物で月々約100万円の不動産収入がありましたが、住職の裏切りによって勝手に不動産会社へ売却され、その代金は、寺には一銭も入りませんでした。住職だった逢坂容疑者に2人が思うこととは…。西岸寺の責任役員:…いい言葉が出てきませんわ。西岸寺の総代:本人が一番悔やんでいるかもしれないですね。転がりはじめて、降りることができなかったんじゃないですかね。警察の調べに対し、鈴木容疑者ら3人は、それぞれ容疑を一部否認しています。鈴木慈薫容疑者:(必要な)手続きをせず不動産を売却したのは間違いありません。ただ、(田口容疑者らと)共謀したわけではありません。田口博也容疑者:(役員の)承諾を得ていたと思っていました。逢坂慈教容疑者:不動産を売却したことに間違いありませんが、鈴木や田口が進めていたものになります。また逢坂容疑者は、「いま思うと、(不動産売却は)議決をすべきと言うべきでした」などと供述していて、警察は余罪についても捜査しています。