元行員の女が貸金庫から約14億円相当の現金などを盗んだ事件を受け、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取は17日、東京都・千代田区の本店で取材に対応し、「改めて心よりお詫びを申し上げます」と謝罪。今後の貸金庫ビジネスについて「3月までに一定の方向性を」示すことを明かした。 同行は16日、堀直樹会長と半沢頭取ら3人について、報酬の30%を3カ月減額するほか、担当役員2人の報酬も一部減額すると発表していた。同行では、練馬支店と玉川支店で支店長代理を務めていた今村由香理容疑者(46)が、貸金庫から顧客の金塊合わせて約20キロ、時価総額2億6000万円相当を盗んだとして逮捕されている。また10日時点で被害者は70人、被害総額は約14億円に上ることが発表されていた。 半沢頭取は「不祥事につきまして、お客様、そして関係者の皆様にご心配、ご迷惑をおかけしていることを改めて心よりお詫びを申し上げます」と改めて謝罪すると、「お客様への対応を最優先、そして同時に外部の弁護士にも相談の上で、金融庁への報告、警察への相談などを進めてまいりました。当初からお客様の被害状況の調査を進め、その行内調査の内容につきましては、警察とも密に連携し、捜査に協力をしてまいりました。今後も警察の捜査の協力を全面的にしてまいりたい」とした。 また被害への対応については「被害に遭われたお客様への対応、補償は、現時点で約70名のお客様被害を確認しております。早期に補償を進めるということで、現時点で40件、約7億円の補償を実施してございます。今後も真摯に、そして可能な限り早期に補償をしてまいる所存でございます」と述べた。 前日に発表した処分には「役員報酬の減額を実施いたします。被害に遭われたお客様への対応、そして再発防止の実行徹底等を通じまして、まさに信頼回復に努めることで、経営責任をしっかり果たしてもらいたいと思っています」とし、今後の貸金庫ビジネスに関しては、「今、行内で方向性について議論、検討しているところです。今、現実として私どもが約13万人のお客様にご利用いただいているという中で、また足元で、強盗事件が増えているという中で、やはりお客様からのニーズが一定程度寄せられているという状況。一方で利用しているお客様も高齢化が進む足元、相続等の関係で利用件数が減っている。また私どもの銀行チャネルの展開の中で、ショッピングモールに展開するとか、場合によっては小店舗の店舗を出す場合には、貸金庫のサービスは備えていないというような店舗ができていると今、そういう状況だという風に思っています。そういう中で今の足元の状況をですねよく見つめまして、1つはやはりお客様のニーズがどうなのかということ、そして今回まさに認識をしました貸金等ビジネス固有のリスク、そして事業採算などの観点があると思っています。こうした観点で3月までにはいろいろな選択肢から一定の方向性を見出したい思っています」と語った。 (ABEMA NEWS)