フリマサイトで売られた偽ブランド品がどのようにして、中国から日本の購入者に届くのか。 大阪府警の捜査で、その一端が浮かんだ――。 偽ブランド品を購入者への発送用に保管していたとして、府警は15日、発送代行業者の元代表の男(40)ら中国籍の男女計3人を商標法違反(侵害とみなす行為)で逮捕し、発表した。 元代表と妻(41)は「偽物だとわかっていながら保管していたことに間違いない」と容疑を認め、元従業員の男(27)は「偽物だとはっきり知らなかったので私は悪くない」と容疑を否認している。 生活安全特別捜査隊によると、3人の逮捕容疑は、偽ブランド品販売の経営者と共謀し、東京都大田区のマンションの一室で7月、商標使用の権限がないにもかかわらず、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の商標をつけたかばんや服飾品計202点を、販売のために所持したというもの。 このほかに府警が押収したもののうち、26ブランド556点も偽物だと鑑定されたという。 2025年3月、大阪府内に住む男性から「フリマサイトで腕時計を購入したが偽物だと思う。27万円で購入したが、相場は60万~70万円のものだ」という情報提供が府警にあった。 鑑定の結果、この腕時計は偽物だとわかったという。 この腕時計の発送元をたどると、逮捕された3人がコンビニなどから偽ブランド品を発送していたことがわかったという。■苦情対応は「2千円」 府警によると、元代表らが発送に関わるようになった経緯が、逮捕前の供述などから浮かんできた。 「物流の代行業者をやってくれないか」 元代表は20年ごろ、友人からの紹介で中国・上海にいる経営者から依頼を受けた。 複数の販売業者を紹介され、会社を立ち上げてそれぞれと契約を結んだ。 荷物は中国から直接送られてきた。 1日10件ほど発送し、報酬は1回につき400円。 返品を受けたり、苦情を聞いたりする対応にも報酬があり、1回1600~2000円だった。こうした対応を繰り返す中で、元代表は偽物だと気づき始めた。 「月の収益は約20万円で、全然もうかっていなかった。妻からもトラブルも多いからやめるように言われていたが、生活費もほしかったのでやめられなかった」 元代表は後悔の言葉を口にしたという。 府警によると、商品は主にフリマサイトで正規品の定価の半額以下で販売されていた。府警は、代金は中国側に渡っていたとみている。 元代表はほかの業者が発送していた商品の苦情対応も請け負っていたという。 府警は、ほかにも偽ブランド品の商品発送をしていた人物がいたとみて調べている。(黒田陸離)