12月に「こども性暴力防止法」が施行され、学校や保育施設などの事業者に、子どもを性被害から守る取り組みを義務付ける「日本版DBS」制度が始まる。事業者には職員の性犯罪歴の確認だけでなく、「性加害の恐れがある」場合の措置が求められるため、運用に当たっては混乱も予想される。一般社団法人日本版DBS・BCP支援協会(熊本県合志市)の代表で行政書士の糸永佳代さん(54)は「制度が始まる前に、就業規則の改定など、組織内のルール作りを急いでほしい」と呼びかける。 日本版DBSは、公私立を問わず学校や認可保育所などの事業者に対し、子どもと継続的に接する職員を対象に不同意わいせつや痴漢といった性犯罪歴がないかの確認を義務付ける。性犯罪歴があった場合、子どもに接する業務に就かせ続けることはできない。 糸永さんは「過去の性犯罪歴の確認に注目が集まりがちだが、初犯を防ぐ措置こそ大切だ」と指摘する。制度では、日頃の相談体制づくりや研修のほか、子どもの訴えなどから「性加害の恐れがある」と判断した場合、自宅待機させたり配置転換したりして、子どもから引き離す措置が義務付けられる。「職員の就業を制限するだけに、労働法制との整合性が問われ、就業規則のきちんとした整備が必要になる。場合によっては、定款からの修正が必要になるケースもあるため、時間がかかる」と話す。