(ブルームバーグ):フランスでは週末、各地で大規模な抗議デモが行われ、警察と参加者の衝突に発展した。略奪や著名な建造物への放火も起き、ここ数年で最悪級の騒乱となった。同国はその余波への対応に追われている。17日に全国各地で行われた抗議活動には50万人以上が参加した。当初は学校・病院の劣悪な環境や生活費高騰への不満を訴える平和的なデモだったが、すぐに事態は悪化した。ヌニェス内相によると、全国で2000人以上が逮捕され、このうちパリでは855人に上った。複数の都市で大きな被害が発生し、警官や消防士数百人が負傷した。フランス中部リモージュでは歴史的な市庁舎が放火され、築143年の建物内部が焼失。リヨンでも観光案内所が放火された。18日午後、パリの共和国広場では無許可の集会が行われていた。前日には、同広場にあるフランス共和国を象徴する「マリアンヌ」像の台座が落書きで覆われた。17日には周辺で多くの暴力行為が確認された。飲食店が襲撃され、放火されたほか、近くのたばこ店の店主は仏BFMTVに対し、ビニール袋を持った一団が店内に押し入り、たばこを大量に詰め込んで持ち去ったと話した。フランスではマクロン大統領の任期満了が近づき、4月に大統領選を控える重要な時期を迎えている。物価高や教育制度に対する学生の反発を背景に、国内では不満が高まっている。歳出拡大を求める声が強まる一方、フランス経済は急速に膨らむ巨額の債務負担を抑える必要に迫られており、難しい対応を迫られている。財政を巡る懸念は大統領選まで続く見通しだ。有力候補が打ち出す政策に対する投資家の警戒感が残る中、危機脱却への明確な道筋は見えていない。マクロン氏は抗議デモを受け、複数の閣僚と会談した後、現地時間18日午後8時にテレビ演説を行う予定だ。週末の抗議デモを巡っては政党間で非難の応酬も起き、既に分断が進む政治情勢を一段と悪化させている。2027年大統領選の世論調査でリードする極右指導者マリーヌ・ルペン氏は、暴力をあおったとして急進左派のジャンリュック・メランション氏を名指しで非難した。