徳之島・保育士殺害事件で初公判「間違いないです」と起訴内容認める 当時17歳の男に刑罰か?保護処分か?

2024年11月、徳之島の伊仙町で保育士の女性を殺害したとして殺人などの罪に問われている当時17歳だった男の裁判員裁判です。19日の初公判で男は起訴内容を認めました。裁判では男に刑罰を科すか、保護処分として少年院送致とするかが主な争点となります。 殺人などの罪に問われているのは、県内の19歳の男です。(記者)「現場は徳之島の伊仙町にあるあちらの住宅。この小さな町で女性が血を流して死亡しているのが見つかりました。警察は殺人事件として捜査をしているがいまだ犯人は捕まっていない」 2024年11月、徳之島の伊仙町佐弁の住宅でこの家に住む保育士の菊池房子さん(当時55)が死亡しているのが見つかりました。そして、年が明けた2025年2月。殺人などの疑いで逮捕されたのが犯行当時、まだ17歳の高校生だった男でした。 起訴状などによると、男は窓から菊池さんの自宅に侵入し、帰宅した菊池さんの胸などを複数回包丁で刺して殺害したとされています。 事件から約2年――。19日の初公判で男は「間違いないです」と起訴内容を認めました。検察側は冒頭陳述で「不登校などを理由に自暴自棄になっていた男が菊池さん夫婦の家から聞こえてくる音を自身への嫌がらせだと感じ、殺害の機会をうかがうようになった」と犯行に至る経緯を明らかにしました。さらに、男が事件の前にも2度、包丁を持ち菊池さんの自宅に侵入していたことなどを指摘し犯行の悪質性や計画性などから刑罰を科すべきだと主張しました。 一方、弁護側は起訴内容に争いはないとしたうえで男の成育歴や家庭環境、十分な教育を受けていないことなどを考慮すべきだとして少年院送致とするため、家庭裁判所への移送を求めました。 20日は被告人質問が行われ、判決は11月9日に言い渡されます。 今回の事件では被告は犯行当時17歳の高校生でいわゆる少年事件ではあるものの成人と同様の刑事裁判を受けているわけですね。 未成年が事件を起こした時のその後の動きについて表にまとめました。まず犯行当時14歳未満であれば触法少年と呼ばれ、刑事責任を問われることはありません。次に14歳以上、20歳未満の場合です。彼らは犯罪少年と呼ばれ、彼らが起こした事件は全て検察から家庭裁判所に送られます。 家庭裁判所は保護観察か少年院に入所させるか、といった処分を決めますが、事件の重大さによっては『成人と同じように扱うべき』として事件を検察に差し戻すことがあります。これを検察官送致、いわゆる『逆送』といいます。今回の事件もこの『逆送』があったうえで、被告の男は成人と同様に刑事裁判で罪を問われることになりました。 少年事件で耳にするようになった特定少年というものがありますが、今回の被告はそれに該当しないのでしょうか? 先ほどお話しした14歳以上、20歳未満の犯罪少年のうち、18歳と19歳については特定少年と位置づけられています。特定少年は17歳以下よりも刑事責任を重く問うためにいくつかの特例が設けられています。少年事件では更生の度合いによって柔軟に社会復帰ができるよう、例えば「拘禁5年以上8年以下」のように刑期に幅を持たせた不定期刑が採用されていますが、特定少年は成人と同じように刑期が決まっています。また起訴された後は成人と同様に実名報道が可能になります。しかし、ここでいう年齢は犯行当時の年齢です。今回の事件では被告の男は現在19歳ですが、犯行当時は17歳であるため特定少年には該当しません。 今回の裁判、一見すると成人と同じように審理が進んでいますが、ここに至るまでの手続きなどは大きく異なるということですね。では今後の裁判のポイントについてはどうでしょうか? 19日の初公判で弁護側は、刑罰ではなく、保護処分としての少年院送致を求めました。男の成育歴や家庭環境、学校に通えず十分な教育を受けていないことなどを考慮すべきだとし、少年院での更生を求めている形です。1人の命を奪ったという被害の重大さと犯行当時17歳だった男の年齢をどう考慮するのか。重大な少年事件に司法がどう向き合うのか、注目が集まります。

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