医師の処方箋(せん)を持っていない客に処方箋が必要な医薬品を販売したとして、警視庁は、東京・高田馬場の「ファーストビューティ薬局」の責任者で中国籍の王沛容疑者(40)=東京都江東区=ら2人を医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕し、22日に発表した。2人の認否を明らかにしていない。 この薬局では、薬剤師の日本国籍の女性(34)が薬局の責任者「管理薬剤師」として医薬品管理などを担っていた。この薬剤師と中国籍の女性従業員(26)の2人についても、警視庁は同法違反の疑いで近く書類送検する方針。 生活環境課によると、客の多くが訪日客などの中国人だった。少なくとも約70種類の処方箋医薬品を販売し、ダイエット目的での使用が社会問題化している糖尿病治療薬「マンジャロ」も扱っていた。薬局が開設された2024年10月以降、医師の診察や処方箋を受けていない客への販売で6500万円以上を得たとみて、警視庁は詳しく調べる。■「処方箋なしで買える」口コミ広がったか 他に逮捕されたのは、薬局を運営する医薬品卸り売販売業「メディクスジャパン」代表取締役の日本国籍の男(54)。王容疑者と男は共謀して今年1~6月、本来は処方箋が必要な医薬品4種類を客4人に販売した疑いがある。4人のうち、マンジャロを購入した日本国籍の女性は「中国の友人から処方箋なしでマンジャロを購入できると聞き、ダイエット目的で購入した」などと話しているという。 生活環境課によると、薬局は中国のSNSで日本の医薬品販売を宣伝し、料金などについて客とやりとりしていた。キャッシュレス決済などで支払いを受けた後、来店客に医薬品を販売。配送を希望する客には国内外に発送していた。客の間では「処方箋なしで買える」といった口コミが広がっていたという。