闇バイト犯罪が止まらない。今年5月には栃木県上三川町で発生した強盗殺人事件で実行役として未成年者らが逮捕されたことが話題になった。現在、各地で問題となっている闇バイトについて、「ずさんなものが多い」と語るのは、かつて特殊詐欺に関与して逮捕された男性だ。特殊詐欺の元指示役である彼には最近の闇バイトはどう映っているのだろうか。「10年ほど前に詐欺罪で逮捕され4年ほど刑務所に入っていました。当時は振り込め詐欺をやっていて、僕が指示役として下の人間を動かしていました」こう語るのはかつて特殊詐欺を行っていた加藤氏(仮名)だ。彼は、最近の事件はSNSなどを通じて募集した素性のわからない人間を使っているために、手口がずさんになっていると話す。「資格も学歴も関係なく、誰でもできるのが闇バイト。特にタタキ(強盗)の実行役はやる気さえあればできます。ただ、裏社会では信用が重要で、実力が認められないと仕事は任せられません。ところが今はSNSなどを通じてとにかくたくさんの人間を集めて闇バイトに使っています。そのため、統率が取れていない。頭の悪い人が『稼げるから』と、それまでの事件をマネしただけの犯罪ばかりです」(加藤氏、以下同)闇バイトの指示役は詐欺全体の管理を行い、リクルーターは人材を集めることを専門にしている。最近ではこの2つの仕事を1人で兼ねているケースが増加しており、計画の段階からずさんになっているという。「指示役は、タタキをするにしても実行役を現場に向かわせる際に『警察が張り込んでいないか』『周辺でパトロールが行われていないか』『不審な車両は止まっていないか』『人通りは多いのか少ないのか』といった情報を徹底的に調べなければなりません。犯行後に現金や貴重品をどう回収・移動させるかまで含めて、すべて考えなければなりませんが、このノウハウを持っているのは、もともと犯罪を生業にしていた人間だけです。最近の事件を見ていると、そこまで緻密な計画をしているとは思えません」