お笑いトリオ「我が家」の杉山裕之さん(49)が、スーパーで食料品7点(販売価格計1189円)を万引きした疑いで、10月14日に書類送検された。報道によると、杉山さんは「収入が少なく不安になり、所持金を残そうと思った」と話しているという。万引きと聞くと、「生活苦」や「意志の弱さ」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。しかし、万引きを繰り返す背景は一様ではない。2018年には、女子マラソン元日本代表の原裕美子さんが、計382円相当の万引きで窃盗罪に問われ、懲役1年、保護観察付き執行猶予4年の判決を受けた。この事件は大きな注目を集め、原さんはその後、盗みたいという衝動を抑えられなくなるクレプトマニア(窃盗症)について公表している。盗んだ物を使うわけでも売るわけでもなく、生活に困っているわけでもないのに、万引きをやめられない人がいる。なぜ万引きを繰り返すのか理解できず、対応に悩む家族も少なくない。刑事事件としては罪の責任を問われる一方で、再犯を防ぐにはどうすればよいのか。検察官・弁護士の双方の立場から万引き事件を見てきた中村元起弁護士と、クレプトマニアの治療に取り組む元武俊(ウォン・ムジュン)医師に、万引きを繰り返す背景や、本人と家族に必要な支援、治療のアプローチについて聞いた。(ライター:岩田いく実)