【AFP=時事】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日、有権者を買収しようとして複数人が逮捕されたことを挙げ、アラブ系イスラム政党ラアムが選挙を盗もうとしていると非難した。一方、ラアムは、右派の投票率を高めるための「うそ」だと反発した。ネタニヤフ氏は選挙戦を通じ、アラブ系政党を引き合いに出してパレスチナ国家樹立への懸念をあおってきた。同氏は今回、南部でラアムの幹部3人が、現金入りの封筒を多数所持していたとして逮捕されたと述べた。ネタニヤフ氏は「ユダヤ人国家を終わらせたがっている左派政党やアラブ系イスラム政党の手に、この戦いを委ねるわけにはいかない」と訴えた。さらに、「バーベキューをしている場合ではない。ビーチにも行くな。投票所に行ってリクードに投票してほしい」と、自身が率いる右派政党への投票を呼びかけた。ラアムは「統一アラブリスト」とも呼ばれる比較的小規模な政党だが、予想通り接戦となった場合、野党陣営主導の連立政権樹立に決定的な役割を果たす可能性がある。同党のマンスール・アッバス党首は動画メッセージで、「ベンヤミン・ネタニヤフ氏は統一アラブリストについてうそをつき、扇動している。右派の有権者を動員して投票所に向かわせるため、われわれを恐怖をあおるための材料として利用している」と非難した。中央選挙管理委員会のディーン・リブネ事務局長代行は、この事件を「異例」と表現し、「警察が有権者を買収しようとした人物らを拘束した」と述べたが、容疑者の身元を明らかにしなかった。リブネ氏によると、容疑者らは投票所ではなく、自宅近くで拘束された。現在捜査が進められているという。同氏は「全国で同様の事件は起きていない。これは局地的な事案だ」と強調した。警察は、有権者を買収してラアムに投票させようとした疑いで、27日未明までに3人を逮捕したと認めた。警察は声明で、「南部地区の捜査官が容疑者らの自宅を捜索し、現金入りの封筒やメモなどを押収した。現金は計2万4000シェケル(約124万円)以上に上った」と発表した。警察は封筒の写真も公開した。少なくとも1通には名前が書かれ、他の封筒には「イスラム運動からの贈り物」と記されていた。一方、軍の元参謀総長であるガディ・アイゼンコット党首が率いる中道右派政党「ヤシャル」を含む野党も、投票開始後、投票所で自党の投票用紙が汚損されたり、盗まれたりしていると訴えた。イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、中央選挙管理委員会は「インターネット上で広まっている主張とは異なり、現時点で投票用紙が組織的に改ざんされている兆候はない」と説明し、報告された事案には直ちに対応していると付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News