裁判官37人の判断「違法、不当ではない」 大川原冤罪で国側主張

化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で、逮捕された会社元顧問の長期勾留などの違法性が問われている訴訟の第2回口頭弁論が30日、東京地裁であった。逮捕状や勾留状の発付、保釈請求の却下に関わった裁判官計37人の判断について、国側は「違法、不当な目的はなかった」と主張した。 この訴訟では元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の遺族が国に1億6800万円の賠償を求めている。相嶋さんは勾留中に胃がんが見つかりながら、保釈されずに亡くなった。 国側は、裁判官の責任を考えるに当たり、「付与された権限の趣旨に明らかに背く『特別の事情』があることが必要」とした1982(昭和57)年の最高裁判例に言及。今回の判断に関わった各裁判官には「特別の事情はない」と主張した。 口頭弁論後の記者会見で相嶋さんの長男(53)は逮捕が2020年だったことに触れ、「法律の世界は38年間、進歩していないのか。『57年基準』を議論すること自体が非常にナンセンスだ」と批判した。 この日の法廷では次男(49)の意見陳述もあり、「胃がんの父がいったい誰に接触し、何の証拠を隠滅すると考えたのか。その具体的な理由を知りたい」と訴えた。 弁護側は計8回にわたって保釈を求めたが、検察側は「罪証隠滅の恐れがある」と繰り返し主張し、裁判官は保釈を却下し続けた。次男は「なぜ父は長期間、自由を奪われ続けなければならなかったのか」と投げかけ、「特に理解できないのは『罪証隠滅の恐れ』だ」と強調した。【遠藤浩二】

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