窃盗事件で逮捕・勾留された容疑者の勾留状の写しが請求から6日後に交付され、弁護活動を速やかに行えなかったなどとして、容疑者の弁護人が国に200万円の賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(堀田次郎裁判長)は30日、国に15万円と遅延損害金の支払いを命じる判決を言い渡した。 判決によると、弁護人は昨年11月28日、さいたま地裁の裁判官が容疑者の勾留期間延長を認めたことについて、10日間の延長の理由が記された勾留状の写しを提供するよう地裁に請求。12月2~4日に計3回地裁に問い合わせ、4日に受け取った。弁護人は決定を不服として同日に準抗告し、棄却された。 判決はまず、人身の自由の重要性などに鑑み、弁護人が勾留状の写しなどの提供を速やかに受けることは「憲法が保障する弁護人依頼権の目的を果たすために、弁護活動を行う上で必要不可欠」と認定。その上で、さいたま地検から地裁への写しの提供が遅れたとし、地検職員の対応は「漫然と行われた」と指摘した。その結果、「速やかに勾留期間延長の理由を知るという憲法上の権利に由来する重大な利益が侵害され、容疑者の身体拘束に対応した十分な弁護権を行使することができなかった」とした。 さいたま地検の奥田洋平次席検事は朝日新聞の取材に「判決結果を精査し、関係機関および上級庁と協議をして適切に対応する」とコメントした。(折井茉瑚)