韓国・ストーカー対策、被害者は重点保護でも加害者は「高リスク」対象外…評価にずれ

【11月01日 KOREA WAVE】韓国でストーカーや交際相手からの暴力への対応を巡り、加害者と被害者のリスクを別々に評価する警察の管理体制が、保護の隙間を生んでいる。被害者が重点的な見守り対象でも、加害者は高リスクと判断されない事例があり、電話中心の状況確認にも限界が指摘されている。京畿道城南市で7月5日、元交際相手のストーカー行為を受け、警察からスマートウォッチを支給されていた60代の女性が死亡した。緊急通報から3分で警察が到着したが、既に事件は起きていた。加害者は事件の約1カ月前、女性にメッセージ8通を送り、15回電話をかけていた。女性はストーカー処罰法違反で告訴し、警察は被害の区分をA等級として、週1回の電話による見守り対象にしていた。一方、加害者は3段階のリスク評価で、高リスクの管理対象に指定されていなかった。家族や交際相手など親密な関係での犯罪は、通報後も加害者が再び接近しやすい。それだけに切れ目のない対応が重要だが、現行制度では双方に異なる評価基準が適用されている。警察は被害者をA・Bの2等級に分けて見守る。A等級は、過去3年間に2回以上、または1年間に3回以上の通報がある場合など、再発の懸念が高い被害者に適用される。B等級は、それよりリスクが低い区分だ。加害者は高・中・低の3段階で管理する。繰り返しの通報や暴力の兆候などから再犯の可能性が高いと判断すれば、高リスクに分類できる。ただ、被害者がA等級でも、加害者が必ず高リスクになるわけではない。ソウルの警察署の女性・青少年担当課長は、個人間の事件であり、被害者が望まない場合もあるため、加害者の分類や管理は容易ではないと説明した。被害者への事後確認も、主に電話で実施される。家族や恋人同士では同居していることも多く、電話だけで危険性を正確に把握するには限界がある。別の警察署の担当課長は、繰り返し通報があれば家庭訪問する場合もあるが、全ての被害者を継続して確認するのは難しいと話した。交際相手からの暴力に関する通報は増加している。警察庁が国会に提出した資料によると、2025年は10万5327件で、初めて年間10万件を超えた。2021年の5万7305件から約1.8倍に増えた。一方、検挙人数は2021年の1万975人から2024年には1万4900人へ増えたものの、2025年は1万4526人と減少した。通報には同じ事件に関するものも含まれ、件数と人数を単純比較はできないが、通報がそのまま検挙につながるわけではない実態がうかがえる。警察の社会的弱者保護総合プラットフォーム「SAN」によると、2025年に交際暴力の最初の通報後、10回以上再通報した被害者は411人だった。これには同じ加害者だけでなく、別の加害者や不特定の加害者に関する通報も含まれる。警察側は、通報回数だけで逮捕することはできず、犯罪の嫌疑や危険性を総合的に判断する必要があると説明する。こうした状況を受け、加害者を被害者から隔離する措置の強化や、双方のリスク評価基準の統一を求める声が上がっている。キム・ジョンチョル警察庁長官職務代行は10月26日の国政監査で「加害者と被害者のリスク評価が食い違う場合が多い」と認め、「被害者保護を重視するため、評価指標の統一を進めている」と述べた。(c)KOREA WAVE/AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加