愛弟子の監督就任に、中畑清氏は興奮しきりの様子だった。「待ちに待った瞬間でした。野球界を変えてくれるんじゃないか、そんな期待を持たせてくれるのは彼だけですから」10月23日、巨人は来季監督に松井秀喜氏(52)が就任することを正式発表。日米通算507本塁打、ワールドシリーズMVPという圧倒的な実績と人気を誇るゴジラが、ミスタープロ野球・長嶋茂雄さんとの”最後の約束”を果たすため、ついにジャイアンツへ還ってきた。「昨年6月に長嶋さんが亡くなられた際、告別式で松井の隣に座ったんです。『監督やらなきゃダメだぞ、絶対にやれよ。約束は守れよ』ってお願いしました。そしたら松井は、『はい、わかってます。その時までOB会長でいてください』と。コーチにしてくれないのかよ! と思いましたが(笑)、松井巨人を応援団長として見守ろうと思います」(中畑氏)なぜいま、松井氏が90番を背負って指揮を執(と)ることになったのか。「今回のMVPは、山口寿一オーナー」と話すのは、巨人担当記者だ。「5月に阿部慎之助前監督の逮捕&辞任騒動があってからというもの、担当メディアや選手、コーチ陣に至るまで、ほとんどの関係者は『来季監督は(高橋)由伸さん』と話していました。しかし山口オーナーは、ごく限られたスタッフのみを使って水面下で松井氏サイドと接触し、監督就任の可能性を探っていました。23日の会見でオーナーは『(松井氏に)要請したのはシーズン終了後』と話していましたが、実際の交渉は長期に及んでいた。フロントの粘り勝ちです」