奈緒&松田龍平の背中合わせショットに魅せられる バディ感が強まる『東京サラダボウル』

夕方、「夕焼け小焼け」のメロディーとともに家へ帰る子供たち。日本では、子供が一人で、あるいは子供たちだけで登下校する光景がごく当たり前となっている。しかし、初めて見た外国人の多くは驚愕するそうだ。 『東京サラダボウル』(NHK総合)第3話では、東新宿署管内で国際カップルの子供が誘拐される事件が発生。それはやがて鴻田(奈緒)が捜査する窃盗事件と結びついていく。 誘拐された原島俊の母親・ユキ(高陽子)は4年前に来日。多国籍ラウンジでホステスと客として出会った幸次(浜野謙太)との結婚を機に帰化(※日本の国籍を取得すること)し、息子の俊をもうけた。 ユキが家事で目を離した隙に姿を消した俊は1歳2カ月で、まだほとんど歩けないこと。室内に侵入者のものと見られる足跡が残されていたことから、何者かによる誘拐事件として捜査が進められ、国際捜査係からは杓野(中川大輔)、ユキへの通訳担当として有木野(松田龍平)が参加する。 幸せな日常が突如壊され、困惑する両親。ユキが有木野に訴えた「どうして、この国で子供が誘拐されるの」という言葉の背景をどれだけの人が知っているだろうか。日本では9歳未満の子供が年間1000人ほど行方不明となっているが、大半は1週間以内に見つかり、誘拐事件と断定されるケースは非常に少ない。だから、ユキは日本なら安心して子育てができると思っていたのだ。対して中国では、出生数に差があるとはいえ、日本より遥かに多くの子供が行方不明となっており、その数は年間20万人とも言われている。 また、特筆すべきは誘拐の動機。日本をはじめとした多くの国では、金銭の要求や性的搾取を目的とした誘拐がほとんどだが、中国の場合は人身売買と結びついており、男の子は後継がいない富裕層や働き手のいない農家に。10代の少女は結婚相手として狙われることが多いという。行方不明者を捜索する中国の情報掲示板にずらりと並んだ赤ちゃんの画像に胸が締め付けられた。事情は国によって違えど、子供を大切に想う気持ちは同じだ。自分の子供がどこで何をされているのか分からないまま、捜索を続ける親たちの苦しみはいかばかりか。15歳まで大連で育った有木野から、中国の事情を聞いた鴻田は思いを馳せる。

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