広島市南区の自宅で3歳男児の体に粘着テープを巻き付け、段ボール箱に入れたとして母親の無職女(26)と祖父のパート男(52)が暴行容疑で21日に逮捕された事件は、2人が児童相談所や警察に相談せず、男児が意識不明になる事態となった。2人は「(男児が)言うことを聞かない時があった」と供述しており、当事者や周囲による通報の重要性があらためて浮かぶ。 広島県警などによると、2人が意識もうろうとなった男児を連れて南区の医療機関を受診したのは20日。男児は10キロ程度と平均体重に満たず、不審に思った医療機関が市児童相談所(東区)に虐待の疑いがあると連絡した。児相が県警に通報し、県警は昨年9月の暴行の様子を写した画像を2人が共有していたことなどから2人を逮捕した。 捜査関係者によると、母親の女は「言うことを聞かないからやった」と供述しているという。一方で、児相と県警は2人から男児について相談を受けたことはないという。また、男児が保育所などに通っておらず、3歳児健診を受けていなかったことも市などへの取材で判明した。