【バンコク稲田二郎】ミャンマーで軍事クーデターが起きて1日で4年を迎える。国軍と抵抗勢力との内戦が続いており、人権団体の調査では、4年間で国軍に殺害された民間人は6千人規模となった。国軍の空爆は少なくとも7千回を超え、国内避難民を含め約550万人が食料不足などの危機的な状況にあるという。 ミャンマー軍事政権をチェックする人権団体「政治犯支援協会」の集計(1月30日現在)では、国軍に殺害された民主活動家や民間人は6231人で、この1年で約1760人増えた。逮捕者の総数は2万8433人に上り、判決を受けた人を含め2万1711人が拘束されている。民主化指導者アウンサンスーチー氏も収監されている。 独立系シンクタンク・ISPミャンマーの2024年10月の報告では、クーデター後の国軍の空爆は少なくとも7186回。その54%は、23年10月に少数民族武装勢力が一斉蜂起してからの10カ月間に集中した。 国連人道問題調整室(OCHA)は国内避難民を約344万人(24年10月時点)と推定。23年の一斉蜂起後、戦闘のために物資が届かなくなって急増しているとしている。 OCHAは今年、人口の3分の1以上に当たる約1990万人に人道支援が必要になると予測。中でも、危機的な状況にある550万人への支援のため、国際社会に11億ドル(約1700億円)を要請しているが、一部しか集まっていないとしている。