中国・大使館の元書記官ら2人を逮捕 「コロナ給付金」詐取の疑いで だまし取った金額は数億円規模か

中国大使館の元書記官で中国籍の男ら2人が、国から新型コロナの休業給付金をだまし取ったとして逮捕されました。だまし取った総額は数億円規模にのぼるということです。 東京の六本木交差点から、徒歩5分。フカヒレ、アワビ、伊勢えびをはじめ、贅沢食材を惜しげもなく使う高級中華料理店。 「中国雲南料理を始めに日本に紹介した草分け、歴代首相を始めとする日本政財界、中国大使館などによくご利用されています」 しかし、きょう店を訪れたのは、警視庁公安部の捜査員でした。 記者 「午前10時です。東京・六本木にある高級中華料理店に警視庁公安部の捜査員が入っていきます」 有名中華料理店「御膳房 六本木店」。ほかにも系列店や社長の自宅など、およそ20か所で一斉に家宅捜索が行われました。 さらに公安部は、運営会社社長で中国籍の徐耀華容疑者(62)と元経理担当の男(28)を逮捕。 逮捕容疑はコロナ禍だった2020年から2022年、店を休業していないのに13回にわたって休業給付金を申請し、国から総額370万円あまりをだまし取った詐欺の疑いです。 警察署に入る際、顔を伏せていた徐容疑者。どんな人物なのでしょうか。 徐容疑者は1989年まで、中国文化省から日本に派遣されていた中国大使館の元3等書記官です。 退職後は六本木、銀座、渋谷など、日本国内で複数の飲食店を経営。ホームページなどで度々、“母国の食への愛”を語っています。 「非日常の空間で、中国の食文化の理解を深めて頂ければ」 捜索が行われた六本木の店舗は、グルメサイトが選ぶ「名店」に名を連ねていますが、きょう、店の前には… 記者 「営業停止の貼り紙がありますが、その理由については『機械トラブルのため』となっています」 捜査関係者によると、徐容疑者は他の従業員にも、うその申請をさせていたとみられ、休業給付金としてだまし取った総額は数億円規模にのぼるということです。 実際には働いていた従業員の給料は給付金から支払われたとみられ、公安部は詳しい金の流れを調べています。

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