二階堂ふみが登壇「横浜フランス映画祭」記者発表『エミリア・ペレス』など上映作品決定

国内最大級のフランス映画の祭典「横浜フランス映画祭 2025」が3月20日(木・祝)~3月23日(日)の4日間、横浜にて開催。公式アンバサダーの二階堂ふみが記者発表会に登壇した。 本映画祭は、1993年にスタートし、みなとみらい21地区を中心にフランス映画最新作の上映や、フランス人監督や俳優が数多く来日するなど、横浜の街をフランス文化一色に染める文化イベントとして親しまれてきた。 今回で32回目を迎える映画祭のテーマは、「Avec~新しい感性との出会い」。映画がもたらす価値観や文化の多様性を通じて、来場者に新たな感性との出会いを提供する。 映画祭の開催に先立ち行われた記者発表会では、今年の映画祭のテーマや概要に加え、会期中に上映される最新のフランス映画10作品のラインアップが発表。 今年の映画祭のオープニングを飾る作品は、カンヌ国際映画祭にて絶賛され、フランス国内で動員940万人を超える大ヒット作『The Count of Monte-Cristo』(英題)。日本では「巌窟王」として知られるアレクサンドル・デュマ・ペールのフランス小説の金字塔「モンテ・クリスト伯」を原作とした、愛と憎しみのエレガントなスペクタクル復讐劇が描かれる。 さらに、アカデミー賞最多となる12部門13ノミネートを果たした、ジャック・オーディアール監督作『エミリア・ペレス』、2024年サン・セバスティアン国際映画祭脚本賞受賞したフランソワ・オゾン監督の『WHEN FALL IS COMING』(英題)など、フランス映画が誇る創造性の強さを感じられる作品を上映。 今年の映画祭開催に向けて、ユニフランス代表ダニエラ・エルストナーは、「今年も情熱を込めて、フランス映画の活気を余すことなく映し出す、大胆で多彩なプログラムをお届けします」と期待を込めて語った。 また、本映画祭の公式アンバサダーに就任した俳優の二階堂ふみが登場。公式アンバサダー就任について「母の影響で映画が好きになり、小さい頃からフランス映画を見て、シネマへの憧れを抱いていました。今回このような機会をいただけてとても嬉しく思います」と挨拶。 また、「横浜フランス映画祭 2025」のテーマである「Avec~新しい感性との出会い」にちなみ、最近出会った“新たな発見”について、二階堂は「先日パリを訪れた際に、本当にいろんな方々との出会いがありました。共通の好きなもの話になると、一気に距離が近くなることを実感して、人と人は好きなものが共通してると、言語や文化、国境を超えることができるのだと思いました!」と、パリでの思い出と共に語った。 会期中は、最新のフランス映画の上映に加え、来日ゲストによる舞台挨拶や、映画監督やプロデューサーが1つのテーマを多角的に掘り下げるマスタークラスなどを実施する。 「横浜フランス映画祭 2025」上映作品 『The Count of Monte-Cristo』 若き航海士のエドモンは、結婚式当日に無実の罪で逮捕されてしまう。脱獄不可能な監獄に送られ、生きる気力を失っていく。ある日、物音に気づき、壁を掘り進めると隣の独房と繋がる。そこにいた老人から知恵と巨万の富の存在を教えられたダンテスは、脱獄と復讐を心に誓い、虎視眈々と準備を進める。14年後…脱獄に成功したダンテスは巨万の富を手に入れ、名を「モンテ・クリスト伯」として、陥れた者たちへ巧みに近づいていく。 『犬の裁判』 アヴリルは訴訟に負け続け、事務所から解雇寸前の弁護士。そこへ社会不適合者のダリウチが愛犬コスモスを連れてくる。3人に噛みついたので、法令上このままでは殺処分になるので助けてくれと言う。アヴリルはコスモスからも迫られ断り切れず敗色濃厚な裁判を引き受ける。アヴリルは犬が単なるモノではないことを裁判官に納得させ、中世以来となる犬の裁判が始まる。行動学者、哲学者、宗教家などを巻き込み、コスモスは女性差別者という非難を受ける。裁判は市民の関心を集め様々な団体が裁判所に押し寄せる。そして判決が言い渡されるが…。 『エミリア・ペレス』 弁護士リタは、メキシコの麻薬王マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタの完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功。数年後、イギリスに移住し新生活を送るリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、運命は思わぬ方向へと大きく動き出す――。 『キャッツ・アイ』 2023年、アレクシア、タム、シリアの三姉妹は数年ぶりに再会する。10年以上前に父親のギャラリーが全焼した時に消失したはずの美術品が、エッフェル塔での展覧会に展示してあるという情報を掴むタム。真相を突き止めようと決意した三姉妹は、絵画を取り戻すためにあらゆる危険を冒す。 『My Everything』 学習障害のある息子を持つ母モナが、自立を求める息子ジョエルとの関係崩壊に直面する物語。障がい者の息子ジョエルの恋愛やその恋人オセアンの妊娠により、モナとジョエルの母子関係が変わる家族の葛藤が描かれる。 『WHEN FALL IS COMING』 自然豊かなブルゴーニュで、穏やかな老後を過ごすミシェル。休暇で孫と帰省した娘ヴァレリーがキノコ中毒で病院に運ばれたこときっかけに、登場人物たちの過去や人間模様が紐解かれていく。 『イッツ・ノット・ミー』 ついぞ実現しなかった展覧会で、ポンピドゥーセンターはこの質問に映像で答えるよう映画監督に依頼した。「レオス・カラックス。君はいまどこにいる?」彼は答えようとした――でも疑問ばかりだ。彼について、そして“彼”の世界について。「分からない。でも分かっていたら、こう答えるだろう…」 『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』 20世紀初頭のイタリア・ローマ。マリア・モンテッソーリは、ある「成功者」と出会う。フランスの有名なクルチザンヌ(高級娼婦)リリ・ダレンジだ。リリは娘の学習障がいが明るみに出そうになったとき、自分の名声を守るためにパリから逃亡してきたのだった。マリアはこの時期すでに画期的な新しい教育法の基礎を築いていた。リリはマリアを通して、娘はただの障がいのある女の子ではなく、強い意志と才能を持った人として、ありのままの娘を知るようになる。マリアに共鳴したリリは、男性中心社会の中でもがくマリアの野望の実現に手を貸すのだが…。 『ロザリー』 生まれた時から多毛症に悩まされるロザリーは、その特別な秘密を隠して生きてきた。田舎町でカフェを営むアベルと結婚し、店を手伝うことになった彼女はある考えがひらめく。「ヒゲを伸ばした姿を見せることで、客が集まるかもしれない」。始めは彼女の行動に反対し嫌悪感を示したアベルだったが、その純粋で真摯な愛に次第に惹かれていく。果たして、ロザリーは本当の自分を愛される幸せと真の自由を見つけられるだろうか――。 『神さまの貨物』 昔々とある森に貧しい木こりの夫婦がいました。寒さ、空腹、貧困に加え、あちこちで戦争が繰り返されている。ある日、木こりのおかみさんは、絶え間なく森を通過する列車から放り投げられた赤ん坊を連れて帰る。夫婦は何があってもこの子を守り、この“貨物”は、木こりの夫婦、彼らに関わる人々、さらには彼女を列車から放り投げた男の人生をも狂わせる。彼らの物語は人間の心の最悪な部分と最高の部分を浮き彫りにするだろう。 「横浜フランス映画祭 2025」は3月20日(木・祝)~3月23日(日)全4日間、みなとみらい21地区を中心に開催。

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