(CNN) 「近所のおばあちゃん」として知られていたエドナ・シュバートさん(88)は、子どもたちの算数の宿題を手伝ったり、子どもたちが私道で自転車に乗るのを眺めたりして一日を過ごすことが多かった。 米ニューヨーク州サフォーク郡のレイ・ティアニー検事によれば、シュバートさんはノースベイショアの平屋に一人で住んでいた。自身の子どもはいなかったものの、近所の子どもたちには自分の子どものように接していた。 2003年12月、近所の人がシュバートさんの玄関の扉が半開きになっているのを目にした。外灯はまだついており、窓が割れ、書類が風に吹かれているのを見て、何か良くないことが起きたことに気が付いた。 シュバートさんは殴り殺されていた。 この残忍な殺人は地元社会に衝撃を与えたが、20年以上にわたって未解決のままだった。シュバートさんのかつての隣人だったラウル・アラヤ被告(51)が逮捕されるまでは。 ティアニー検事は声明で、「この起訴は正義には期限がないことを証明している」と述べた。 今回の事件が改めて注目されることになったのは23年のこと。退職したサフォーク郡の元刑事パスカーレ・アルバーゴさんが現代の法医学技術を使って事件を再捜査しようとしたときだった。 最初の捜査で、捜査員は現場を記録し、家中の指紋と血液の証拠を保存した。だが、当時の法医学は容疑者を特定できるほど進歩しておらず、事件は未解決となった。 容疑者がシュバートさんの家に侵入したブラインドから潜在指紋が見つかり写真撮影が行われたものの、写真は不鮮明だった。しかし、より進化した科学技術を使うことで、データベースの情報と照合を行い、一致するものを発見することができた。 ティアニー検事によれば、元の写真を高精細な写真技術で撮影することで、それが被告の左手の親指の指紋であることが判明した。 この指紋はさらに、壊れた窓の近くにあった扉に残された別の指紋とも一致した。 アヤラ被告は事件当時29歳で、被害者宅とわずか180メートル程度しか離れていない場所に住んでいた。 指紋が確認された後、シュバートさんの衣服などを調べて、身元不明の人物のDNAを発見した。 サフォーク郡の警察は24年8月、DNAが見つかったことを受けて、アヤラ被告が引っ越したジョージア州タルモに向かった。現地で監視を行い、被告が捨てた宝くじのチケットや紙の容器からDNAを回収した。DNAを確認したところ、事件のものと一致した。 サフォーク郡の警察とジョージア州の法執行機関は1月16日、アヤラ被告を逮捕した。被告は殺人の罪に問われている。 アヤラ被告は先週、出廷し、無罪を主張した。弁護士が明らかにした。当局によれば、被告は保釈なしで勾留されている。最高で、仮釈放なしの終身刑の可能性がある。