ハンガリーで邦人女性殺害の疑いで元夫逮捕 警察は対応の誤り認める

ハンガリーの首都ブダペストで1月下旬、日本人女性が死亡する事件があり、地元警察はアイルランド人の元夫を殺人容疑で逮捕した。女性は元夫からのドメスティックバイオレンス(DV)について地元警察に相談しており、警察は対応に誤りがあったと認め、警察官5人の懲戒処分手続きを始めた。 女性は在ハンガリー日本大使館にも2022年6月と昨年夏ごろ、元夫との関係や子どもの旅券発給について相談していた。地元メディアなどによると、女性は2人の子どもを連れて日本への帰国を希望していたとされる。 1月29日、ブダペストのアパートで火災が起き、現場から女性の遺体が見つかった。警察は元夫が関与した疑いがあるとして2月3日に逮捕した。 地元メディアによると、女性は元夫からDVを受け、殺害予告のような脅迫も受けるなどしたため警察に相談していた。ただ、警察は十分に取り合わなかったとされ、女性への暴力に反対する団体や知人らがデモで警察の対応に抗議していたという。警察は11日、内部調査の結果、対応に誤りがあったことを認めた。 女性は在ハンガリー日本大使館にも2度にわたって相談をしていた。大使館によると、女性に対してDV被害を受けている場合は警察に相談に行くことや、子どもへの旅券発給には共同親権者の同意が必要であることなどの情報を伝えたとしており、「可能な限りの支援は行ってきた」としている。(ベルリン=寺西和男)

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