(CNN) ロシアで拘束されていた米国人男性の釈放と引き換えに、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪に問われて米国に引き渡されたロシア人が釈放される。米トランプ政権の関係者が12日、CNNに明らかにした。 釈放されるロシア人のアレクサンドル・ビニク被告は、数十億ドル規模の暗号通貨取引所を運営し、麻薬密輸業者や詐欺グループなどと取引していたとされる。2017年にギリシャで逮捕されてフランスへ移送され、マネーロンダリングの罪で20年に禁錮5年を言い渡された。フランスから米国へは22年に引き渡された。 釈放の交換条件として、米政府が差し押さえたビニク被告の資金は没収される。 米国のドナルド・トランプ大統領がウクライナ戦争の早期終結を目指す中、ビニク被告は、ロシアで拘束された米国人のマーク・フォーゲル氏と引き換えに釈放が決まった。 フォーゲル氏に続き、12日にはベラルーシで拘束されていた米国人も釈放された。ベラルーシではこの米国人を含む政治犯3人が同日釈放されている。 ビニク被告が囚人交換として釈放されることについて、米政府内では反対の声も上がっている。 ある米司法当局者は「サイバー犯罪者を釈放すれば、ランサムウェアなどの犯罪にかかわる者を一層増長させるだろう」とCNNに語り、ビニク被告がかかわる暗号通貨取引所が処理した取引は90億ドル相当(約1兆4000億円)を超すと指摘。ロシアとの交換で釈放される大物サイバー犯罪者は、ビニク被告で3人目になると付け加えた。